2016 Fiscal Year Annual Research Report
The function of acidic organelles in signal transduction
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26440068
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
和田 戈虹 (孫戈虹) 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (00314427)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | mTOR / HOPS複合体 / 初期発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ほ乳類の初期発生では、細胞の分化と形態形成が小さな胚の中で短時間の間に高度に秩序だって進行する。さらに、着床直後の胚は、胎盤が形成できておらず、その時期の栄養供給が後期エンドソーム・リソソーム系酸性オルガネラによる栄養物質の取込と分解に依存していると考えられているが、詳細なメカニズムはまだ明らかではない。mTOR の活性化がエンドソーム・リソソーム系オルガネラを必要とするという報告もあることから、リソソーム形成に重要な役割を持つHOPS複合体の構成因子の変異胚で、mTOR シグナルに異常が起きている可能性があると考える。『mTORのシグナル経路が初期胚の各胚葉細胞でどのように活性化され、伝達されるか?』を明らかにするために、形態的にmTOR欠損マウスと酷似した表現型を示す、HOPS因子の欠損マウスを用いて、初期胚での栄養供給、増殖因子のシグナル伝達、mTOR 活性の状態を各胚葉ごとに解析を行った。まず、各胚葉のマーカー・タンパク質GATA6, Otc3/4, Cdx2に対する抗体で胚のwhole mount蛍光染色を行い、着床直後の変異胚の胚葉の発生状態を解析した。その結果、胚体外外胚葉の発生が著しく遅いことが明らかとなった。そこで、胚体外外胚葉の幹細胞(TS)や原始内胚葉の幹細胞(XEN)を樹立し、細胞レベルでmTOR 活性を検討した。さらに、LC3やp62などのオートファジーのマーカーを用いて、胚発生時の栄養供給状態を免疫染色法で解析した。
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