2015 Fiscal Year Research-status Report
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26440077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久冨 修 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60231544)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 転写因子 / bZIPドメイン / LOVドメイン / 光制御 / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、本年度は平成26年度に行った研究(1)「光ジッパー(PZ)タンパク質の二量体化に必須な部域の絞り込みと、二量体化を促進あるいは抑制するアミノ酸の同定」、(2)「蛍光タンパク質との融合によるPZの機能評価」のまとめとして、下記二報の学術論文を公表した。 Yoichi Nakatani and Osamu Hisatomi, Biochemistry, 54, 3302-3313 (2015), Osamu Hisatomi and Keigo Furuya, Photochem. Photobiological. Sci. 14, 1998-2006 (2015) これらの研究の結果、PZ二量体の結合性を定量的に評価することが可能となった。DNAとの結合性に関しては、Electrophoretic mobility shift assay (EMSA)の系の改良により、低タンパク質濃度領域での定量的な測定が可能となった。また、Fluorescence correlation spectroscopy (FCS)の測定にも成功したことと合わせ、PZおよびその変異体の活性をin vitroで定量的に評価できるようになった。さらに、分子間相互作用解析装置(QCM)を用いて、PZとDNAとの相互作用を解析することにも成功し、現在、測定条件の最適化を行っている。 研究計画(4)の「酵素活性を光制御する系の作製」に関しては、BiFC法を用いて大腸菌中あるいはin vitroでのGFPとmCherryの形成を調べたが、測定した条件ではこれら蛍光タンパク質の形成が行われないことが明らかになった。引き続き、融合するタンパク質の精査と条件の検討を行う予定である。また、(5)cJunとPZの融合タンパク質を複数種作製したところ、そのうちの1種が光依存的に二量体化し、DNAへの結合性を増すことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画した(1)「二量体化に必須な部域の絞り込みと、二量体化を促進あるいは抑制するアミノ酸の同定」、(2)「蛍光タンパク質との融合によるPZの機能評価」に関しては、成果を学術論文として公表できた点は、プラスと評価したい。それらの研究により、PZおよびその変異体の機能解析がin vitroで可能となったことは、今後の解析を行う上での大きな成果である。また、(3)「酵母two-hybridシステムを用いた遺伝子発現の光制御」に関しては、緊急性が低下したため平成27年度は行わず、動物培養細胞を用いた解析を検討することとした。(5)cJun-PZ融合タンパク質については、設計した機能を持つ融合タンパク質が見つかり、当初の計画どおりに進行している。 以上の結果を総合して、研究計画はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度までの研究成果を受け、本年度は、部位特異的変異体を作製してPZ二量体化とDNAへの結合性を定量化し、(6)「PZの作動機構」を解析する。DNA結合性の定量化には、EMSAに加えて蛍光偏光解消法も導入して、ターゲット配列以外の配列へのPZおよびその変異タンパク質の結合性を調べていく。さらに、QCM装置を用いることにより、DNAへの結合の平衡定数を求めるだけでなく、結合と解離の速度定数の測定も試みる。これらの解析は、PZの応用研究である(4)「酵素活性を光制御する系の作製」および(5)「cJun-PZ融合タンパク質」に対しても重要な知見となるので、これらの研究を同時に進めていく。
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Research Products
(10 results)