2014 Fiscal Year Research-status Report
活性酸素産生経路をモデルとしたテトラスパニンの分子機能の探索
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26440107
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森部 弘樹 久留米大学, 医学部, 助教 (90423102)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テトラスパニン / Dual Oxidase(DUOX) / 線虫 / 活性酸素種(ROS) |
Outline of Annual Research Achievements |
活性酸素種(reactive oxygen species/ROS)を産生する線虫Dual Oxidase(DUOX)の活性化において、テトラスパニンTSP-15と相互作用することが必須である。テトラスパニンの具体的な分子的役割を探索するために、培養細胞を用いてテトラスパニンやテトラスパニン変異体存在下でのDUOXタンパク質複合体や翻訳後修飾の動態の変化を探索している。 これまでに行った共免疫沈降法中心の解析から、この手法による比較では研究目的の達成には不十分であることが分かった。そこで当初の計画を発展的に修正し、より詳細かつ網羅的にタンパク質の動態解析を遂行するため、二次元電気泳動を用いたプロテオーム解析を中心に行うこととした。これまでの総細胞抽出液を用いた予備的解析の結果から、テトラスパニンの有無で異なる挙動を示す分子が複数確認された。 またこれと併行してTSP-15のキメラタンパク質を作製し、DUOXのROS産生に与える影響を評価することでTSP-15タンパク質の必要なドメインを明らかにした。加えてTSP-15とDUOXの相互作用はDUOXの活性化の十分条件ではないことも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単純な共免疫沈降のパターンの比較ではテトラスパニンの与える分子的影響を明らかに出来なかったため、候補対象をより広汎かつ詳細に比較できるプロテオーム解析に重点をシフトし研究を行うように計画を変更した。しかしながら計上していた予算ではその解析システムのセットアップに不十分であったため前倒し請求を行った。しかし前倒し請求認可後の期間にて実験に習熟するための十分な実験数を行うことが出来ず、進捗に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究手法の修正に伴い進捗に遅延を生じたが、これまでの予備的なプロテオーム解析ではテトラスパニン存在下にて異なる挙動を示す分子の存在が示唆されている。今後も引き続きそれらの探索を行うとともに、質量分析による同定を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
連携研究者との研究打ち合わせに関わる旅費については、別途獲得した研究費より捻出できたため計上を行わなかった。また研究計画に修正を加えたため進捗状況に遅れがあり、当初予定していた解析業務の受託を行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究手法の方針についての修正はあったが、基本的な研究計画に変更はなく、前年度の研究費を含め当初の予定通りに研究を進めていく。
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