2015 Fiscal Year Research-status Report
神経幹細胞の増殖とニューロン分化を協調させる新規分子機構
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26440112
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
勝山 裕 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10359862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 俊雄 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20101892)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞分化 / 翻訳後タンパク質修飾 / タンパク質切断制御 / タンパク質相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々がこれまでに同定した脳の発生に関わる新規因子Sbno1はアミノ酸配列の類似性からショウジョウバエで最初に報告されたstrawberry notchファミリーに属する。保存されたモチーフからこのファミリー分子がRNA,DNAと相互作用することが予想されるが、その作用機序は不明である。これまで我々はSbno1タンパク質の異なる2つの部位を認識する抗体を準備し、免疫組織学的にSbno1タンパク質の発現を調べてきた。Sbno1のN末側240アミノ酸を認識するH240では領域によって濃淡はあるものの発生中の脳の全体が染まった。一方、タンパク質の中央部分を認識するHM2ではもっぱら分化を開始したニューロンでのみ発現が観察できた。 そこで我々は次にウェスタンブロット解析によってこれら抗体で検出されるタンパク質のバンドパターンを検討した。するとH240ではタンパク質の全長と思われる150kDaのバンドが明瞭に検出されるが、HM2ではほとんど検出されなかった。一方でHM2では70kDaのバンドが極めてよく検出された。 我々はSbno1タンパク質を強制発現させるプラスミドの作成を試み、HEK293T, COS7, NIH3T3, Hela細胞を用いてプラスミドの導入を行った。その結果、COS7でもっと再現性良くタンパク質の発現を誘導することができることがわかった。またこれまでにSbno1と結合する可能性が示唆されているOtub1についても同様にプラスミドの作成を行い、COS7細胞で発現を誘導できることを確認した。そこで、次に両タンパク質を同時に培養細胞に導入する実験を試み、成功した。現在、Sbno1,Otub1を発現させるプラスミドを培養細胞に導入し、両者の結合を免疫沈降法によって確認する実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
そもそも本研究課題は26年度に研究代表者の長期の病気によって大きく遅れをとってしまった。さらに、27年度にはともに研究を行っていた大学院生が、本研究代表者との共同作業をやめてしまい、別の研究者と研究を始めた。27年度に本研究代表者は東北大学内で研究室を異動し、異動した先の新しい研究室の立ち上げには極めて多くの労力と時間を必要としたので、実験を再開するのに時間がかかってしまった。27年度秋ごろに新しく学部学生が研究に加わり、多くの進捗がみられた。一方で、研究代表者は28年1月に東北大学准教授から滋賀医科大学教授へと異動、昇進した。教授に審査に対応するため多くの時間を必要とし再び研究に遅れが生じた。また仙台から滋賀への異動に伴って、機材の搬送などに多くの時間を費やしており、遺伝子組み換え実験申請、動物実験申請、実験室のP1A申請などにも承認までに長い時間がかかり、その間、研究はストップした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように27年度には研究代表者には本研究課題を進める以外のことで、多くの時間を奪われて、研究に協力する人員を失ってしまったのは、残念至極であるが、結果的には教授職に就任し、自分の研究室を持つことができ、自らの研究を進めていくための安定した研究環境を得ることに成功した。研究は進まなかったが、その分、予算を使っていないので、新しい環境で、これまでの遅れを取り戻すべく、日々研究環境の充実と大学院生などの人員確保に努力しているところである。これまでは所属部署の長(教授)からの要求などに応えるために使っていた時間を心置きなく自分の研究に使うことができるようになったのは、何よりも大きな前進である。上記研究の一部を学術雑誌に投稿したにもかかわらず、所属研究室の長の妨害によって雑誌掲載に至らないなどの不利益は、今後は決して起こらないと期待される。また、自らの研究室が機能するようになるまでの間は、近隣の研究室の協力をえることができるので、設備、試薬などは本研究課題で得られる研究費によってそろえていく一方で、協力研究室の現有設備を利用して研究を進めていくことが可能である。これまで大変な遅れを生じさせてしまったが、それをとりかえすべく邁進していく所存である。
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Causes of Carryover |
本研究課題代表者が1年の間に2度、所属が変わり、そのたびに研究に遅れが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新しい研究室を立ち上げるために、多くの設備、試薬を購入する必要がある。とくに細胞培養の実験系を立ち上げるのに特に多くの出費が必要と考えられる。また、今年度内にMEF細胞を用いた実験によって外注でマイクロアレイ解析を行うのに、100万円程度の予算を考えている。動物飼育費は月々3万円程度と考えられる。
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[Journal Article] Inhibition of fatty acid synthase decreases expression of stemness markers in glioma stem cells.2016
Author(s)
Yasumoto Y., Miyazaki H., Vaidyan L.K., Kagawa Y., Ebrahimi M., Yamamoto Y., Ogata M., Katsuyama Y., Sadahiro H., Suzuki M., & Owada Y.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 11(1)
Pages: e0147717
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Promotion of colorectal cancer invasion and metastasis through activation of NOTCH-DAB1-ABL-RHOGEF protein TRIO.2015
Author(s)
Sonoshita, M., Itatani, Y., Kakizaki, F., Sakimura, K., Terashima, T.,Katsuyama, Y., Sakai, Y., & Taketo, M.M.
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Journal Title
Cancer Discovery
Volume: 5
Pages: 198-211
DOI
Peer Reviewed
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