2016 Fiscal Year Research-status Report
Pitx2の下流の分子機構と左右非対称な形態変化の解析
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26440124
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
白鳥 秀卓 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90362590)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 左右非対称 / 器官形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外マトリックス因子LR1変異マウスの表現型を手がかりに、左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境の解析を行った。 LR1変異マウスの表現型がB6/129系統よりもB6純系に近い方が重度であったことから、B6系統への戻し交配を進め、表現型の解析を行った。新生仔を解剖して内臓を観察した結果、腸ループ・血管系・肝臓の分葉構造等の左右非対称な器官形成におけるLR1の役割を詳細に理解できた。新生仔で異常がある組織については、器官発生期の形態異常や各器官形成に必要な分子の異常を探索した。 また、LR1変異マウスが示す左右非対称な形態異常がLR1の左右非対称な発現が無くなったためであることを証明する(左右非対称性の形成異常にも見えるが、実は左右非対称性の形成とは関係ない異常である可能性を否定する)ために作製したマウス:LR1変異マウスに左側側板中胚葉特異的にLR1を発現するトランスジーンを導入したレスキュー実験用のマウスの解析を行った。その結果、レスキューマウスの表現型はLR1変異マウスと異なり、LR1の左右非対称な発現の重要性が示唆できた。レスキューマウスについても、解析を効果的に行うためにB6系統への戻し交配を進めた。 本研究の目的であるLR1を始めとする細胞外因子の左右非対称な器官形成における役割を明らかにするために、本年度の解析によって、器官発生期を中心とする詳細な解析に進むための基礎を固めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年4月に所属を変更したが、本課題に使用するマウス系統を解析に十分な匹数にまで繁殖することなど所属変更後の研究環境を整えるまで、想定以上に時間がかかった。所属変更に伴う、研究活動以外の教育活動など新規の職務のスタートアップに要する時間も想定以上であった。また、解析を進めていく中でも、観察系の構築や新規の解析が必要になるなど、研究遂行に想定以上に時間を要したため、「(3) やや遅れている。」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究課題は、心臓流出路の左右非対称な形成機構の解析、四肢の左右非対称性の解析、左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境の解析の3項目からなる。 心臓流出路の左右非対称な形成機構の解析と四肢の左右非対称性の解析についてはあまり進めることができていないが、マウス系統を解析に十分な匹数にまで繁殖準備しながら、解析を進めていく。 左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境の解析については、解析に十分な匹数にまで準備できたLR1変異マウスを使用して、解析を進めていく。 所属変更に伴うスタートアップに時間がかかったが、研究環境を整え、研究メンバーも揃ったので、昨年度遅れた分を取り戻すように解析を進めることができると考えている。
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Causes of Carryover |
平成28年4月に所属を変更したが、本課題に使用するマウス系統を解析に十分な匹数にまで繁殖することなど所属変更後の研究環境を整えるまで、想定以上に時間がかかった。また、所属変更に伴う、研究活動以外の教育活動など新規の職務のスタートアップに要する時間も想定以上であった。これらの理由で、研究の進行が遅れたため、助成金を次年度使用することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年4月に変更した新所属における研究環境がほぼ整い、研究が進み始めている。本年度は遅れた分を取り戻すように計画内容に沿った研究を進めていく中で、研究に必要な試薬・実験器具を購入する予定である。また、研究に必要な試薬やサンプルを冷凍保存するスペースが足りないので、冷凍庫を購入する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A Wnt5 Activity Asymmetry and Intercellular Signaling via PCP Proteins Polarize Node Cells for Left-Right Symmetry Breaking2017
Author(s)
Minegishi K, Hashimoto M, Ajima R, Takaoka K, Shinohara K, Ikawa Y, Nishimura H, McMahon AP, Willert K, Okada Y, Sasaki H, Shi D, Fujimori T, Ohtsuka T, Igarashi Y, Yamaguchi TP, Shimono A, Shiratori H, Hamada H.
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Journal Title
Developmental Cell
Volume: 40(5)
Pages: 439-452
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] TTC25 Deficiency Results in Defects of the Outer Dynein Arm Docking Machinery and Primary Ciliary Dyskinesia with Left-Right Body Asymmetry Randomization.2016
Author(s)
Wallmeier J, Shiratori H, Dougherty GW, Edelbusch C, Hjeij R, Loges NT, Menchen T, Olbrich H, Pennekamp P, Raidt J, Werner C, Minegishi K, Shinohara K, Asai Y, Takaoka K, Lee C, Griese M, Memari Y, Durbin R, Kolb-Kokocinski A, Sauer S, Wallingford JB, Hamada H, Omran H.
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Journal Title
The American Journal of Human Genetics
Volume: 99(2)
Pages: 460-469
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research