2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the molecular mechanisms downstream of Pitx2 and left-right asymmetric morphogenesis.
Project/Area Number |
26440124
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
白鳥 秀卓 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90362590)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 器官形成 / 左右非対称 |
Outline of Annual Research Achievements |
左右非対称な器官形成を制御する細胞外環境を解明するために、細胞外マトリックス因子LR1の変異マウスの表現型を解析した。昨年度に引き続き、B6系統への戻し交配を進め、LR1変異マウスの18日胚または新生仔を解剖して内臓を観察した。その結果、戻し交配を進める前に比べ、脾臓の大きさ、腎臓・腎静脈の位置、肝臓の分葉構造等の重度な異常を見つけることができた。また、LR1変異マウスに左側側板中胚葉特異的にLR1を発現するトランスジーンを導入すると表現型がレスキューされるのだが、野生型にこのLR1トランスジーンを導入したマウス(左側側板中胚葉特異的にLR1を過剰発現するマウス)でも異常が見られた。この結果から、左側側板中胚葉においてLR1の発現量が厳密に調節されることが、左右非対称な形態形成に必要であることが分かった。 LR1変異マウスで観察される腎臓の左右非対称性の異常を詳細に解析するために、腎臓、腎静脈、腎動脈の左右非対称な形成過程を観察した。その結果、腎動脈の左右非対称性が初めに確立され、続いて左右対称にできた腎臓と腎静脈が左右非対称に位置変化することが分かった。 本年度の解析によって、細胞外因子であるLR1の左右非対称な器官形成における役割を明らかにできたと共に、細胞外環境の必要性を示唆できた。また、腎臓の左右非対称性の形成過程を明らかにすることができた。これらの結果は、左右非対称な器官形成機構を解明するための大きな一歩となったと共に、今後の解析の大きな手がかりとなった。
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Research Products
(1 results)