2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis of the inter-layer communications at the shoot apical meristem
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26440133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 光知 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20343238)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / 茎頂分裂組織 / 細胞層構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの茎頂分裂組織は、最外層からL1 層、L2 層の二層の細胞層からなる外衣と、L3と呼ばれる内体から構成されている。外衣の細胞は、垂層分裂のみを繰り返し、各細胞層のアイデンティティーを維持している。また、茎頂分裂組織の細胞は独自のアイデンティティーを獲得・維持する一方で、隣接する細胞との間で細胞間コミュニケーション・発生情報の伝達を行っている。PDF2と、そのパラログであるATML1は、L1層特異的に発現するCLASS IV HD-Zip転写因子であり、両者はL1層特異的遺伝子群の転写を制御する原表皮/表皮細胞分化のマスターレギュレーターである。PDF2/ATML1は、生体脂質と結合するタンパク質機能ドメインであるSTARTドメインをもっている。本研究では、PDF2/ATML1タンパク質がもつSTARTドメインに注目し、PDF2/ATML1が、ユニークな脂質との結合を介してL1層細胞とL1層以外の細胞において異なる機能制御を受ける可能性を分子遺伝学的手法によって明らかにすることを目指した。一連の結果から、PDF2/ATML1タンパク質へのSTARTドメインを介した脂質種の結合は、PDF2/ATML1の二量体化に必須であり、二量体化によって安定化したPDF2/ATML1がオートレギュレーションを介してPDF2/ATML1自らの転写を活性化していることが強く示唆された。PDF2/ATML1と結合する脂質種をもたないL1層以外の細胞においては、上記制御機構が不安定化し、オートレギュレーションが停止した結果、表皮細胞としてのアイデンティティーが喪失すると考えられる。
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Research Products
(6 results)