2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26440136
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 昌弘 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 特別教授 (80027044)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 葉緑体 / 翻訳 / mRNA / リボソーム / in vitro系 |
Outline of Annual Research Achievements |
顕花植物の葉緑体は固有の小型ゲノムを持ち、約80種類のタンパク質をコードしている。これらの多くは葉緑体内の光化学系やリボソームなどの複合体サブユニットなので、各サブユニットの量比はほぼ決まっている。これらの合成量の制御は主に翻訳段階で行われる。本研究では、タバコリボソームタンパク質をモデルに翻訳の量的制御の分子機構の解明を目指す。本年度は最も大きなS2(236アミノ酸)のmRNAと小さいS14タンパク質(100アミノ酸)のmRNAを用いて、我々の開発した葉緑体in vitro翻訳系で翻訳速度の解析を行った。 葉緑体内で合成される正常なrps2 5’-UTR - S2コード領域 - rps2 3’-UTRを持つmRNAを用いて翻訳速度を測定したところ、このmRNAは非常に速い翻訳速度を持つことが分かった。ついで、rps2 mRNAの翻訳開始に必要なシス配列について、5’-UTRの欠失変異を作製して解析を行い、翻訳開始点上流の33塩基が翻訳開始に重要であることを発見した。さらにrps2 5’-UTRを用いたゲルシフト解析の結果、トランス因子の存在が示唆された。 次いで、S14タンパク質のmRNAで同様の解析を行ったが、シス配列の同定には至らなかった。そこで、S14タンパク質の代わりとしてS16タンパク質(85アミノ酸)のmRNAを用いて解析を行ったが、我々のin vitro系では翻訳活性を測定することが困難であった。現在、代替候補の選定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたS14タンパク質のmRNAでの解析、代替として用いたS16タンパク質のmRNAでの解析は困難であったが、現在、さらなる代替候補の選定を行っており、来年度計画と平行して研究を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の通り、研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
物品の購入を控えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、物品を購入する時に使用する予定。
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Research Products
(5 results)