2014 Fiscal Year Research-status Report
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26440142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 忍 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40456992)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表皮 / 転写因子 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ATML1の下流遺伝子の解析 ATML1と同様に初期胚から表皮で発現する遺伝子としてACR4が知られている。しかし、ATML1とACR4の遺伝学的な上下関係については、明確な結論が出ていない。ATML1がACR4の上流ではたらくという報告もあれば、ACR4がATML1より上流ではたらくという報告もある。そこで、ATML1の過剰発現体とatml1;pdf2変異体で、ACR4の詳細な発現解析をおこなった。胚珠培養でATML1の発現を胚全体で誘導すると、内側の細胞層でもACR4のプロモーターが異所的に活性化されることが分かった。一方、atml1;pdf2/+植物が作る胚の中には、ACR4のプロモーター活性が低下しているものが観察された。これらの結果から、ATML1は、初期胚でACR4の発現を正に制御している可能性が示唆された。
(2) ATML1過剰発現体のエンハンサー/サプレッサー変異体のスクリーニング ATML1の転写後調節に関わる遺伝子、下流遺伝子を同定するために、ATML1過剰発現体のエンハンサー/サプレッサー変異体のスクリーニングをはじめた。GFP-ATML1融合遺伝子をエストラジオール誘導性のプロモーター下で発現する系統の種子を0.4%EMSで8時間変異原処理した。変異原処理した種子を滅菌して寒天培地上で生育させてから、土に植え替えた。表皮が異常な個体は芽生えで致死になる可能性があり、変異体として同定されても系統の維持が難しいため、各M1植物から個別に種子を回収した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究目標はおおむね達成できた。また、4回の学会発表をおこない、研究成果の一部を報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) GFP-ATML1融合タンパク質で、保存された特徴的なアミノ酸配列に変異を導入する。
(2)平成26年度までに回収したM2種子をエストラジオール培地上で発芽させ、変異体のスクリーニングをおこなう。過剰発現体の表現型が部分的に回復または増強された植物をエンハンサー/サプレッサー変異体の候補として選抜する。
(3) 継続してACR4の詳細な発現解析をおこなう。
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Causes of Carryover |
平成26年度におこなった、atml1;pdf2胚におけるACR4の発現解析では、初期胚でatml1;pdf2胚の同定が難しかったため、マーカーラインのホモ系統を確立することに専念し、定量的な発現解析は次年度に行うことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
GFP-ATML1融合タンパク質で、保存されたアミノ酸配列に変異を導入するため、予定通り、遺伝子工学キットやプラスチック消耗品を購入する。ACR4の詳細な発現解析を平成27年度以降にも継続しておこなうため、平成26年度の未使用額を定量的な発現解析の経費に充てたい。
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Research Products
(5 results)