2017 Fiscal Year Research-status Report
Dissection of mechanisms regulating the outermost-cell specific gene expression
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26440142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 忍 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40456992)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 表皮分化 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ATML1過剰発現体のエンハンサー/サプレッサー変異体の解析 これまでに得られたサプレッサー変異体の一系統について、SSLPマーカーを用いた詳細なマッピングを進めたところ、700 kbの範囲まで候補領域を絞ることができた。また、この変異体の形態観察をおこない、25%の芽生えで子葉のパターン形成に異常が生じることを明らかにした。種子を作ることは可能だが、稔性が極めて低いことも分かった。本葉の切片を作製して組織学的な観察をしたところ、葉の細胞の形態や組織の配置に異常が観察された。さらに、次世代シークエンス解析を進めるため、予備的なRNA-seq解析をおこない、親系統における遺伝子発現変動を確認した。 (2)ACR4によるATML1のフィードフォワード制御の検証 ACR4はin vitroで転写因子をリン酸化する能力が示されている。ATML1は細胞質にも存在することから、ACR4 が ATML1 やそのホモログを直接修飾することで活性を調節している可能性が考えられた。acr4 単独変異では表現型が弱いため、acr4表現型を強めるale1との二重変異体 (acr4;ale1) で GFP-ATML1 タンパク質の挙動・効果を調べた。予想に反し、acr4;ale1背景でも、野生型と比べてATML1タンパク質の局在や表皮分化誘導能に大きな違いは見られなかった。また、多重変異体株の表現型を詳細に解析した結果、ATML1やそのホモログの活性が弱い条件下では、ACR4の機能が芽生えの正常な発生に必須であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究目標は概ね達成できたため。また、4回の学会発表をおこない、研究成果について議論することができた。成果の一部については、学術雑誌に投稿をおこない、現在改訂中である。さらにもう一報は投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) ATML1過剰発現体のエンハンサー/サプレッサー変異体の解析 詳細なマッピングを進めた変異体について、次世代シークエンス解析により、原因遺伝子の特定を目指す。核酸の抽出や遺伝子型のチェック、発現量の確認をするため、4月から8月ごろにオリゴDNAや遺伝子工学キット、プラスチック消耗品を購入する。5月から9月ごろに次世代シークエンス解析の発注を行う。 (2) 成果をとりまとめて学会年会で報告し、論文として公表する。
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Causes of Carryover |
[次年度使用額が生じた理由] サプレッサー変異体の原因遺伝子を明らかにするために、2017年9月から次世代シークエンス解析を始めた。予備的なRNAseq解析をおこなったところ、データのばらつきが大きく、サンプリング条件をより詳細に検討する必要が生じた。また、シークエンスデータ取得を海外に外注しているため納期が数ヶ月かかり、今年度中に全ての実験を完了するのが難しく、シークエンス解析を次年度におこなうこととしたため。 [使用計画] サプレッサー変異体の原因遺伝子を明らかにするための解析を平成30年度も継続しておこなうため、平成29年度の未使用額を次世代シークエンス解析や、学会年会における成果発表と情報交換、論文投稿の費用に充てたい。
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Research Products
(6 results)