2014 Fiscal Year Research-status Report
二酸化炭素透過性アクアポリンの生理機能および分子機構の研究
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26440146
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
且原 真木 岡山大学, その他部局等, 准教授 (00211847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 洋二郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (50462560)
児玉 直美 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (60594611) [Withdrawn]
米村 正一郎 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (20354128)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アクアポリン / 二酸化炭素透過性 / 透過性 / 葉肉細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの酵母およびアフリカツメガエル実験系でCO2透過性を持つことが示されていたイネおよびオオムギの3つの天然型原形質膜(PIP)型アクアポリン遺伝子(OsPIP2;1、HvPIP2;1、HvPIP2;3)およびアミノ酸置換変異アクアポリン遺伝子HvPIP2:4M126Iについて、今年度はそれぞれの遺伝子を恒常発現プロモーター(ユビキチンプロモーター等)およびは緑葉で高発現するプロモーター(Cabプロモーター、RubisCOアクチベースプロモーター)につなげてイネに導入して形質転換イネを作出して複数の形質転換系統のT1世代まで得た。 さらに新規CO2透過性アクアポリン分子種の選抜をおこなうための酵母を用いた新たなCO2透過性アクアポリンスクリーニング系の開発を進めた。CO2を重炭酸イオンと水素イオンに変換する酵素カーボニックアンヒドラーゼを恒常的に発現する酵母系統にさらにCO2透過性アクアポリンを発現させると、CO2から生じた水素イオンによって酵母の生育が阻害されることが認められた。この生育阻害をしようとしてスクリーニングを行うことができると考えられた。 葉内/葉肉細胞のCO2透過性測定系については、多チャンバーでイネ個葉の光合成過程における二酸化炭素の安定同位体分別の程度から、葉内通導性を測定するシステムを運用してきた。イネ個葉の二酸化炭素および湿度環境は、個々のチャンバーの出口空気を電磁弁で交互に赤外線分析計に導くことにより行ってきた。しかしながら、湿度についてはこれでは応答性が不十分であったため、個々のチャンネル出口に静電容量型の湿度計を配置することにより応答の速い湿度制御が可能になりより高精度で葉内通導性を求めることが出来るようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既知のCO2透過型アクアポリンによる形質転換体の作成については、予定通り複数系統でT1まで得ることができた。酵母を用いたスクリーニング系も確立することができた。葉内/葉肉細胞のCO2透過性測定系にも改良した。
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Strategy for Future Research Activity |
CO2透過型アクアポリンによる形質転換体については、作出した個体での遺伝子発現レベル・タンパク発現レベルの確認を予定通り27年度に進める。確認された個体を用いて、その葉内/葉肉細胞のCO2透過性測定を実施する。酵母を用いたスクリーニング系では新規CO2透過型アクアポリンのスクリーニングを実施する。基本的に当初計画通りに研究を進める。
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Causes of Carryover |
形質転換イネ系統は予定通り作出できたが、導入したアクアポリンタンパク質の発現量を測定する実験が次年度(H27年度)に入ることになったためにタンパク定量用の試薬を子年度中に購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H26年度に作成した形質転換イネ系統において、導入したアクアポリンタンパク質の発現量を測定するため、タンパク定量用の試薬購入に使用する。
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