2014 Fiscal Year Research-status Report
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26440156
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
高橋 文雄 立命館大学, 生命科学部, 助教 (60332318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 伸哉 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (20405070)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 褐藻 / トランスクリプトーム / aureochrome / 青色光受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2007年に、新奇の転写因子型青色光受容体、オーレオクロム(AUREOCHROME)を発見した。オーレオクロムは、褐藻やケイ藻を含む黄色植物(独立栄養ストラメノパイル)のみによく保存されているので、黄色植物共通の重要な機能を担っていると推定できる。オーレオクロムは黄色植物フシナシミドロでは青色光誘導分枝形成に関与しているが、褐藻やケイ藻はじめ他の黄色植物での機能は全く未解明である。本研究では、室内実験で培養系を確立した褐藻ヤハズグサ(Dictyopteris latiuscula)とアカモク(Sargassum horneri)を用いて、どのような光反応がオーレオクロムによって制御されているかを明らかにし、黄色植物共通の標的反応を推定することである。2014年度は、本研究で使用する褐藻2種ヤハズグサとアカモクの核酸単離法の開発を主に行った。褐藻類は特有の多糖が含まれているが複合的な核酸単離法を工夫することによってDNA、RNAの単離が可能になった。特にアカモクに関しては4種の光条件下でのmRNAを単離し、次世代シークエンスを用いたトランスクリプトームが終了し、共同研究者によりデータベースの構築を終えた。現在、アセンブル・アノテーションを行った遺伝子について発現量解析を詳細に行う予定である。 一方、アカモクとヤハズグサの光応答反応について生理学的解析を行っており、波長(光)依存的な現象が見いだせている。今後、陸上植物で使用されているホルモンや細胞骨格等の阻害剤を用いて検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①初年度で二つの褐藻類の核酸単離まで順調に進んだ。さらにアカモクに関しては、核酸単離を早々に終了させ、4種の条件下での次世代シークエンスを用いたトランスクリプトームも終了させた。これら次年度以降、データベースを用いてreal time PCRを用いた解析により、確認作業し、光受容からの転写制御の全貌が明らかになることが期待される。 ②生理現象に関しては、褐藻2種ともに成長が遅く、生理実験の再現性をとることに労力を注いだ。光依存的なアカモクの有性生殖とヤハズグサの再生実験は再現性が得られ、今後、多くの阻害剤等を用いた生理実験により多くの情報が得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
①前年度に行ったアカモクのトランスクリプトームデータの詳細な解析とreal time PCRによる再現性の確認を行う予定である。 ②今年度はもう1種のヤハズグサのトランスクリプトームを行う予定である。 ③以上のデータが揃い次第光受容体関連遺伝子を単離し、生化学的解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度科学研究補助費取得対象者の研究支援として、新学術領域「ゲノム支援」に応募可能になり、応募し採択された。これらによって研究費区分のその他に含んでいた次世代シークエンスの研究費を使用せず、研究費の余剰がおこった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ゲノム支援を採択されたことにより当初予定より研究が加速しているためこれらを生化学物品や分子生物学等の消耗品等に充てる予定である。また今年度も次世代シークエンスをする予定なのでそれらに充当する予定である。
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Research Products
(9 results)