• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

カタユウレイボヤ卵巣形成における神経葉ホルモン同族体の機能解明

Research Project

Project/Area Number 26440172
Research InstitutionSuntory Foundation for Life Sciences

Principal Investigator

川田 剛士  公益財団法人サントリー生命科学財団, その他部局等, 研究員 (90300821)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsオキシトシン / バソプレシン
Outline of Annual Research Achievements

①若年期ホヤ卵巣における遺伝子発現解析
若年期のホヤから摘出した卵巣にホヤバソプレシンを投与して発現変動する遺伝子を特定しようと試みたが、その特定には至っていない。それらの遺伝子を特定できない大きな原因の1つとして、若年期ホヤ卵巣に発現する遺伝子の情報が全くないことが挙げられる。そこで、若年期ホヤ卵巣に発現する遺伝子のデータベースを作成するために、同卵巣のトランスクリプトーム解析を行った。またリファレンスとして成熟期のホヤの卵巣を用いたトランスクリプトーム実験も同時に行った。それらのトランスクリプトームデータの情報解析を行い、リアルタイムPCRによる検証実験を行った結果、特定の酸化還元酵素、細胞骨格遺伝子、トランスポーター、などの遺伝子が、若年期ホヤ卵巣に多く発現していることが示された。
②ホヤバソプレシン遺伝子を破壊したカタユウレイボヤの観察
ホヤバソプレシン遺伝子を破壊するために構築したTALEN用プラスミドを用いて、ホヤバソプレシン遺伝子の破壊実験を行った。カタユウレイボヤの受精卵にTALEN用プラスミドを導入し、スクリーニング・飼育成育を行ったところ、ホヤバソプレシン遺伝子のヘテロ変異個体を複数得ることができた。さらにそれらのヘテロ変異個体同士を交配させることにより、同遺伝子のホモ変異個体の作製に取り組み、その作製に成功した。これらのホモ変異体は幼若体まで成長したことから、ホヤバソプレシンは発生から変態を経て幼若体に至るまでのプロセスには必須でないことが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

若年期ホヤ卵巣の遺伝子発現の不安定さの問題から、ホヤバソプレシンにより誘導される発現遺伝子が特定できていない。その問題解決のための方策として、若年期ホヤ卵巣の遺伝子発現解析を進めている。
遺伝子破壊ホヤの作製は、遺伝子導入効率、個体の生育速度、受精効率、などの点で一部問題があったため、予定よりやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

若年期ホヤ卵巣と成体ホヤ卵巣の遺伝子解析を進めているが、若年期のホヤ卵巣に発現の多い遺伝子に続き、成長後のホヤ卵巣に発現の多い遺伝子についても定量PCRで確認する。特に発現差が大きいと示唆される遺伝子については、各卵巣に対して in situ hybridization を行う。
当研究所において、ホヤ卵細胞を大きさにより選別する手法が確立されたので、ホヤバソプレシン受容体遺伝子が多く発現している画分を選定し、そこにホヤバソプレシンを投与して遺伝子発現変動を次世代シークエンサーおよび定量PCRにより解析する。また以前に行ったホヤバソプレシン投与ホヤ卵巣(若年期)における遺伝子発現変動解析の結果についても、若年期ホヤ卵巣で発現の多い遺伝子という観点から再検討する。
TALENによる遺伝子破壊処理により作製したホヤバソプレシン遺伝子のホモ変異体から卵巣を摘出し、卵巣自体の大きさや卵巣内の卵細胞の種類についてチェックする。またホモ破壊株で卵を産生できるのか、卵管内の卵が通常のホヤの卵と同じなのかについても観察する。卵が産生できた場合、ホモ破壊株の卵と野生型ホヤの精子で正常に受精が起こるかどうかについても調べる。ホモ破壊株の絶対数を増やすための交配繁殖も継続する。

Causes of Carryover

前年度は予定通りの所要額を使用した。前々年度に使用しきれなかった額が次年度への繰越し額になっている。前々年度で繰越しが生じたのは、購入予定の高額試薬を購入せず、同部署の研究者が所持していた余剰試薬で代用したためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰越分は、ホヤバソプレシン投与した卵胞のRNA-Seq実験の消耗品費として使用したい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] Transcriptome analysis for the ovary of an ascidian, Ciona intestinalis2015

    • Author(s)
      川田剛士、白石慧、佐竹炎
    • Organizer
      第40回日本比較内分泌学会大会 日本比較生理生化学学会第37回大会 合同大会
    • Place of Presentation
      JMSアステールプラザ
    • Year and Date
      2015-12-11 – 2015-12-13
  • [Presentation] Expressional analyses of Ciona oxytocin/vasopressin family peptide gene using a genetically modified ascidian.2015

    • Author(s)
      川田剛士、堀江健生、笹倉靖徳、小笠原道生、佐竹炎
    • Organizer
      第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学会大会 合同大会
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド
    • Year and Date
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [Book] Handbook of Hormones2015

    • Author(s)
      Tsuyoshi Kawada
    • Total Pages
      12
    • Publisher
      Academic Press

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi