2015 Fiscal Year Research-status Report
クロマチン構造中での減数分裂期DNA二重鎖切断を制御する因子の探索と機能解析
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26440186
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山田 貴富 中央大学, 理工学部, 助教 (30451850)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 減数分裂 / 相同組換え / クロマチン / DNA二重鎖切断 |
Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂期相同組換えは、染色体上のホットスポット領域でDNA二重鎖が切断されること(DSB; DNA double strand break)から開始される。正確なDSBの形成は減数分裂後に生じる配偶子の産生に重要ではあるが、そのクロマチン構造中での分子機構はいまだに不明の点が多い。申請者らは分裂酵母のホットスポット周辺にみられるアセチル化ヒストンH3リジン9(H3K9ac)、H3リジン4(H3K4)メチル化酵素Set1がDSB形成を促進することを見出した。しかし、これらの因子を欠く細胞でもDSBが部分的ではあるがみられたことから、他の因子もこの過程に関与していると考えられる。また、ホットスポット周辺でのH3K4のメチル化状態が低いことから、Set1がどのようにしてDSB形成に機能するかという点も不明である。そこで、本研究ではH3K9acやSet1とともにDSB形成を制御する因子を探索し、それらの機能を解明する。 当該年度において、H3K9acやSet1と協調してDSB形成を促進する因子を探索する遺伝学的スクリーニングの系の効率化をおこなった。予備実験の過程で、Set1と協調してDSB形成を促進すると考えられる因子(仮にPbs; promoting DNA doublestrand breaks with Set1とする)の変異体を一つ単離した。現在、Pbsの機能、及びSet1のどのような特徴が重要であるかを調べるため、Set1の各種変異とPbsの変異を持つ二重変異株を作製している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本格的なスクリーニングに着手する前の段階ではあるが、Set1と協調してDSB形成を促進すると考えられる因子の候補を取得できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
H3K9acやSet1と協調してDSB形成を促進する因子を探索する遺伝学的スクリーニングの系を本格的に稼働する。ただし、効率については現時点でも問題があるため、この点の改良も随時行う。また、予備実験でえられたSet1と協調してDSB形成を促進すると考えられる因子について、その機能、Set1との相互作用の様式と意義などについても研究を進める。
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Causes of Carryover |
学会参加に関わる旅費について、所属大学からの補助が得られたため。また、購入を予定していた機器について、既存のものを有効利用することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の掲載料や機器の購入費用、及び消耗品の購入費用を計画している。
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Research Products
(4 results)