2015 Fiscal Year Research-status Report
メダカ頭蓋顔面形態の多様性～個体差を担う遺伝子を探す～
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26440191
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
新屋 みのり 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (00372946)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 量的形質 / 頭蓋顔面形態 / 遺伝学的解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
頭蓋顔面形態は、種特異性と種内多様性という両方の性質を併せ持つ、非常に興味深い構造である。本研究課題においては、頭蓋顔面形態の種内多様性に関わる遺伝要因を明らかにすることを目的とし、遺伝学的解析を進めている。これまでに行った量的形質遺伝子座解析にて、３つの頭蓋顔面形質への関与が示唆される４つのゲノム領域を見出した。昨年度の解析で、１つのゲノム領域は擬陽性であることが判明したため、残り３領域（３形質）での解析を各々進めた。以下にその進捗状況を述べる。
形質L33は6番染色体の関与が検証できており、関連ゲノム領域をさらに絞り込むためのコンジェニック系統（対象領域のみ別系統のゲノムに置換された系統）２系統が準備できていた。そこで今年度はそれらの表現型解析を実施し、6番染色体の端である約５Mbpの領域に形質関連領域があることを示唆できた。現在、この結果を検証するための系統を作成中である。更に、対象領域には多数の遺伝子が存在するため、コンジェニック系統を用いた領域特定をさらに進めるべく、新たな系統も複数作成しつつある。また、より詳細な領域確認を可能にするため、領域内に新たな遺伝マーカーの設定も行っている。
形質V13（5番染色体）およびD29（15番染色体）については、量的形質遺伝子座解析により得られた結果の検証のために作成した一部の系統にコンタミネーションが発生するなど、想定外の状況が重なり、今年度は系統の再整備を行うにとどまった。
上述を受け、系統全体のコンタミネーションを避けるための方法として、各世代の継代ペアの遺伝子型モニタリングを行うこととした。具体的には、各染色体2遺伝マーカーずつ、1個体につき計48マーカーの遺伝子型確認を行う。このためのマーカーの選抜を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
量的形質遺伝子座解析により得られた結果の検証を行うべく、5番染色体のコンソミック系統（対象の染色体一本が別系統のゲノムに置換された系統）の表現型解析を進めていたところ、この系統全体にコンタミネーションが起き、実際にはコンソミック系統になっていないことが判明した。このため、新たに系統を準備する必要が生じてしまい、解析の遅れの原因となった。また、15番染色体をカバーする二つのコンジェニック系統の内、片方の系統では、表現型解析のために増やした個体が全滅する事故が起きてしまった。そこで解析個体を準備し直す必要に迫られたが、思うように産卵せず、未だ必要な個体数をそろえられていない。他方の系統は、遺伝的雌が雄として成長してしまう現象が頻繁に起きてしまい、系統の維持が難しくなった。そこで、系統のバックアップ維持をお願いしていた連携研究者からこの系統を分与していただいたところ、先方の研究室内でコンタミネーションが起きていたことがわかった。幸い、コンタミネーションが起きていない家系が１つ見つかったため、現在、その家系の個体を増やしつつある。
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| Strategy for Future Research Activity |
コンタミネーションの被害を最小にとどめるため、今後、作成したコンソミック・コンジェニック系統は各世代の継代ペアを遺伝子型モニタリングすることとする。
以下に、それぞれの形質・染色体についての今後の推進方策を述べる。
形質L33・6番染色体・・・形質関連ゲノム領域として示唆された約5Mbpの領域に対するコンジェニック系統の作成を完了する。この系統と元系統であるHd-rR、および比較系統であったHNI系統との間で表現型比較解析を行い、上術の示唆の確証をつかむ。さらに、対象ゲノム領域に対し、より高密度（数百kbpに1個程度）で遺伝マーカーを設定する。このマーカーセットを用い、対象領域内を細分化したコンジェニック系統を複数作成する。それらの表現型解析を行うことで候補領域を500kbpから1Mbpに狭め、領域内の多型および遺伝子情報を抽出する。遺伝子の機能に影響する可能性のある多型や発現量に影響を与えそうな多型を持つ遺伝子をリスト化し、候補遺伝子とする。
形質V13・5番染色体・・・量的形質遺伝子座解析により見いだされた5番染色体上の領域に対するコンジェニック系統は既に作成できている。この系統の個体数をそろえ、Hd-rRとの表現型比較解析を行う。V13にて二つの系統間に有意な差が認められれば、量的形質遺伝子座解析の結果が検証されたことになる。検証の後は、対象領域を狭めるべく、コンジェニック系統を作成し、既に述べたL33と同様の解析ラインを進める。
形質D29・15番染色体・・・15番染色体をカバーする２つのコンジェニック系統について解析個体数をそろえ、Hd-rRとの表現型比較解析を行う。その後の推進方策は、上述の形質V13・５番染色体の場合と同様である。
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Research Products
(1 results)
