2015 Fiscal Year Research-status Report
実験室耐熱進化系を用いた新規相互作用の出現・消失機構の解明
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26440200
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岸本 利彦 東邦大学, 理学部, 教授 (90339200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 哲也 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00222399) [Withdrawn]
渡邊 総一郎 東邦大学, 理学部, 准教授 (10287550)
津留 三良 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80594506)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 相互作用 / 大腸菌 / 高温適応進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、大腸菌高温適応進化初期に固定される変異と同時期に出現する相互作用の相関解析を行い、相互作用がどのようにして生じてきたかを検討した。 1.相互作用と変異の相関解析 高温適応進化初期に固定される7つの変異を固定順に保有する大腸菌クローン株を用いて培養上澄み添加培養での増殖応答性を検討した。特に相互作用が強く現れるlon変異固定株に関し、有害変異であるlon変異の固定メカニズムを格変異固定株との競合培養により検証し、lon変異株がlon固定直前株との競合で一定の割合で長期継代培養可能である事を確認し、相互作用の変異固定への影響を確認した。相互作用により有害変異であるlon変異が長期間集団に存在出来たため、次の強い変異であるシャペロニンgloL変異導入が可能となり、ヒッチハイクによりlon変異が固定されたと考えられた。 2.相互作用分子として培養液中への乳酸の蓄積を確認した。そのため、上述の大腸菌クローン株の乳酸生産特性を代謝物から解析する系の構築に着手した。嫌気呼吸で乳酸生産が行われることから、各クローン株の呼吸活性として溶存酸素濃度、解糖系での基質消費特性としてのグルコース濃度、培地中の乳酸濃度の測定系の構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
項目毎のバラツキはあるが、当初予定した進捗は達成しているため。また変異と相互作用の対応付けから、有害変異固定に相互作用が影響する等、新しい知見も得られており、成果が順調に出ているため。また成果発表も学会、論文等で実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い研究を進め、集団進化における相互作用の位置づけを明らかとする。集団中での変異と相互作用のダイナミクス、代謝と相互作用の相関解析を行い、過酷環境での相互作用の出現と進化における相互作用の影響を解析して行く。
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Causes of Carryover |
実験系の構築が完了し、多くのサンプルの解析が翌年度に計画されているため。年度末の研究実施により遺伝子解析等の単価の高い実験が翌年度に多く持ち越されているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大腸菌の培養、遺伝子解析、代謝物解析を中心に、相互作用と進化の相関を明らかとするために使用する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Molecular clock of neutral mutations in a fitness-increasing evolutionary process2015
Author(s)
T. Kishimoto, B.-W. Ying, S. Tsuru, L. Iijima, S. Suzuki, T. Hashimoto, A. Oyake, H. Kobayashi, Y. Someya, D. Narisawa, T. Yomo
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 11
Pages: 1~18
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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