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2014 Fiscal Year Research-status Report

被子植物無胚乳種子種における胚珠内栄養分移動経路の多様性解析

Research Project

Project/Area Number 26440205
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

遠藤 泰彦  茨城大学, 理学部, 教授 (30250145)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsマメ科 / 胚柄 / 解剖 / 内乳 / 栄養分移動経路 / カラザ
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、当初の目的であった研究環境の整備として、必要な消耗品の購入および落射蛍光装置を備えた顕微鏡観察システムの構築を行った。このため、プランアポクロマート顕微鏡用対物レンズ、顕微鏡用デジタル撮影装置を購入した。これにより、研究対象であるマメ科植物の胚珠内部の構造を正確に、かつ詳細に観察できる環境が整った。また、研究の対象となるマメ科種10種「サイカチ、ジャケツイバラ、アカシア、ユクノキ、イヌエンジュ、ミヤマトベラ、ツノクサネム、ハリエンジュ、ヒヨコマメ、フジ」について様々な種子発達段階の液浸標本と証拠標本を採取した。それぞれの生育地を明確に把握できたと共に、同生育場所での開花・結実時期が明らかとなったため、発達段階をより細かく追いながら、効率良く種子を採取することが今後可能となった。そして、これまでの採取試料に基づき胚珠の解剖をパラフィン切片法により行い、500枚超のプレパラートを作成した。これにより、胚珠サイズと胚珠内部の発達段階との関係が明らかとなり、研究に必要な発達段階の胚珠を外部形態から特定できるようになった。さらに、作成したプレパラートにもとづき、発達にともなった胚珠内部構造の変化過程について推定することが可能な状況になった。なお、本研究の目的であるマメ科胚珠内の栄養分移動経路の探索の過程において、種皮のカラザに特殊な組織の発達を確認し、これと内乳の構造の発達過程との対応を明らかにすることが栄養分移動経路の探索という点で極めて重要であることが新たに考えられ、カラザと隣接する内乳の発達段階も胚および胚柄の発達過程と併せて追求する必要性に気づくことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は当初の目的に従い、初年度の計画である実験環境の整備を終え、また、対象となるマメ科種の12種中10種について採集を終え、解剖を行い、パラフィン包埋切片を作成した。この結果に基づき、順次観察結果を整理し、さらに必要と思われる胚珠の発達段階にある種子の採集に向け、次年度の採集計画を練っている状態にある。なお、平成26年度内に結果の学会誌への公表および学会での発表を予定していたが、この部分については、当初は予定していなかったカラザおよび内乳の関係という追加データをとる必要があきらかとなり、このデータ収集の結果と併せて行うことを計画している。このため、当初の目的から、さらに進んだデータを取る必要が生じたことから、結果の公表という点では充分とは言えないが、自己点検評価としてはおおむね順調に進展しているとした。

Strategy for Future Research Activity

計画どおり、マメ科 胚珠について、樹脂包埋切片を作成し、胚表面のクチクラ層の分布を、対象種において明らかにし、胚珠内部での栄養分移動経路の推定をより確からしいものとする。その過程で、必要に応じ、欠けていると考えられる発達段階の試料を収集し解析する。さらに、得た観察結果については逐次公表する。なお、平成26年度に明らかにした、特殊なカラザの構造、そして、それとの内乳との関係について より詳細に観察することで、マメ科胚珠内の栄養分の移動経路の実態解明に向けた研究を推進する。

Causes of Carryover

平成26年度は試料の収集を所属機関の周辺にて行うことが可能であった。また、一部試料においては、生育地近辺に在住の研究者に送付を依頼した。このため、試料収集旅費および試料収集協力の人件費等を安価に抑えることが可能となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成26年度、未収集の試料の収集のため、旅費および試料収集協力の人件費として使用の予定である。また、平成27年度は、必要に応じ、他の研究者を通じて収集した試料について現地に赴き、必要な試料を自ら確認しながら採集の予定であり、このため、当初の予定どおりの旅費が必要となる。さらに、学会での発表の旅費、論文発表のための英文校正謝金等、当初の予定どおり必要となる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] Morphological differences in flowers between Eastern Asian and Eastern North American Phryma (Phrymaceae)2014

    • Author(s)
      Yasuhiko Endo, Tomonari Miyauchi, and Tomonori Sannohe
    • Journal Title

      The Journal of Japanese Botany

      Volume: 89 Pages: 394-408

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Remarks] 茨城大学 理学部 理学科(生物科学コース)遠藤 泰彦

    • URL

      http://info.ibaraki.ac.jp/Profiles/5/0000457/profile.html

  • [Remarks] 茨城大学理学部生物科学コース 遠藤研究室

    • URL

      http://endolab.sci.ibaraki.ac.jp/index.html

URL: 

Published: 2016-05-27  

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