2016 Fiscal Year Research-status Report
被子植物無胚乳種子種における胚珠内栄養分移動経路の多様性解析
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26440205
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
遠藤 泰彦 茨城大学, 理学部, 教授 (30250145)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胚珠 / 内乳 / 栄養分移動経路 / クチクラ層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、予定に準じ、マメ科植物のネムノキ(Albizia julibrissin)、ジャケツイバラ(Caesalpinia decapetala var. japonica)、ヒヨコマメ(Cicer arietinum)、フジキ(Cladrastis platycarpa)、ミヤマトベラ(Euchresta japonica)、サイカチ(Gleditsia japonica)、コマツナギ(Indigofera pseudotinctoria)、ミヤコグサ(Lotus corniculatus)、イヌエンジュ(Maackia amurensis)、ハリエンジュ(Robinia pseudoacacia)、ツノクサネム(Sesbania sesban)、フジ(Wisteria floribunda)の胚珠の採集を終えた。そして、これら種群の胚珠の横断および縦断切片での、胚表面のクチクラ層の有無を特定する目的で、ナイルレッドによるクチクラ層染色の実態の観察を行うこととした。このため、同層の所在を発光により確認できる、蛍光フィルターキューブG-2A C-FLを設定した落射蛍光顕微鏡の設置を終え、その観察方法に習熟した。さらに、樹脂包埋切片作成用として、クルツァーテクノビット7100の包埋樹脂を準備し、これに伴う浸漬液のシリーズの準備、包埋標本固定ヒストブロックの準備を終え、資料の樹脂包埋を行い、クルツァー社製ヒストナイフHにて精力的に切片作成を行っている。なお、本研究の発展として解析の対象としている無胚乳種子を持つ他の被子植物のグループであるハエドクソウ科ハエドクソウ属について、研究の前段階として、その分類上の問題であった日本産種の変異の実態を明らかにし、その学名を確定した。これにより、研究材料の実態をより明確にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで、パラフィン包埋切片作成には習熟していたが、樹脂包埋切片作成は初めてであり、試行錯誤の部分があり、多くの時間を費やしてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
試料および実験の周辺状況が既に整っているので、今後は得た結果に基づいて学会での公表および論文作成を行う段階にある。
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Causes of Carryover |
本研究は、マメ科植物の胚珠内の胚におけるクチクラ層の分布の多様性解明のため、資料収集、樹脂包埋法による胚珠切片の作成、落射蛍光顕微鏡による観察により3年間で実施する計画である。これら実験環境の確立および実験の実施を終える状況にあるが、論文作成とその英文化(英文校正)、さらには学会での発表が予定どおりに進んでいない状況にある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成とその英文化(英文校正)、さらには学会での発表の費用および追加実験が必要な場合の消耗品費用として使用の予定である。
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Research Products
(2 results)