2017 Fiscal Year Annual Research Report
Variations of the pathway of the transport of nutrition from the chalaza to the embryo through the endosperm in legume ovules (Angiospermae)
Project/Area Number |
26440205
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
遠藤 泰彦 茨城大学, 理学部, 教授 (30250145)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マメ科 / 胚発達 / contact zone / cotyledon areole / 栄養分移動経路 / クチクラ層 / 原形質連絡 / 胚柄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、被子植物のマメ科を対象として、胚珠内での胚の成長に必要な栄養分がどのような経路を経て胚に到達するのかを明らかにすることを目的とした。 被子植物において、胚への栄養分移動経路は「前々世代の胞子体(珠皮)→前世代の配偶体(内乳)→胚柄→胚」が考えられる。そして、これらの経路間は、有機栄養分の細胞間の通り道として、原形質連絡により結びつけられている必要があろう。 ところが、被子植物の胚珠内では、胚柄が早期に計画的細胞死により消失する。このため、胚柄の計画的細胞死後は、胚表面から内部への栄養分の移動が考えられて来た。一方、被子植物の胚表面には比較的早い段階でクチクラ層が出現する。 以上により、胚柄消失後の胚表面の一部が、二次的に内乳に接着し、クチクラ層を失い、内乳と胚表面の細胞間で原形質連絡が生じることによる栄養分の移動が考えられ、実際、マメ科植物のエンドウマメにおいて、胚の一部である子葉と内乳が接着している部分contact zone (CZと略)がある。 また、このCZは、我々がマメ科植物の発達した種子内の子葉上に認めた、個々の表皮細胞がドーム狀に隆起する領域cotyledon areole (CAと略)に相当すると考えられた。なお、CAの位置は、マメ科植物の種類によって、子葉の先端、基部、さらには中央部にと、様々な場所に出現することをすでに我々が報告している。 そこで、本研究では、CZがマメ科植物の代表的な系統において、どのように子葉上に分布するのかをクチクラ層の欠失部分の特定により明らかにし、その多様化過程を推定しようとするものである。現在までの研究の結果、本研究により設置した蛍光顕微鏡を用いることで、サフラニン、ファストグリーン、鉄ヘマトキシリンにより三重染色したパラフィン包埋切片において子葉表面のクチクラ層の分布を特定できることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)