2016 Fiscal Year Research-status Report
種内および近縁種間における花の匂い特性の多様性形成とそれに伴う種分化に関する研究
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26440215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 浩司 (東浩司) 京都大学, 理学研究科, 助教 (50362439)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 花の匂い / 系統 / 雑種 / 種内分類群 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、アケビ属のアケビ、ゴヨウアケビ、ミツバアケビの花の匂いの補修、DNA解析を行った。当該年度は特に、親種であるアケビとミツバアケビでは見られず、一部のゴヨウアケビの花の匂いでのみ見られた匂い物質について、模造花を用いて野外での昆虫誘引試験を行った。比較のためにアケビ、ゴヨウアケビで共通して見られる匂い物質も同時に試験を行った。野外3ヶ所で試験を行ったところ、いずれの場合も、アケビ、ゴヨウアケビで共通して見られた匂い物質の場合は様々な昆虫(ハチ、アブ、甲虫など)が誘引されているようだった。一方、ゴヨウアケビでのみ見られた匂い物質に関してはハチやアブよりも甲虫類が比較的誘引されているようであったが、全体としては訪花した個体の数が少なかった。 また、すでに報告したようにショウブ属のセキショウでも訪花昆虫の観察を行った。形態的には区別することは難しいが、開花期が異なる=生殖的隔離がある集団についてDNAレベルで解析を行ったが、現時点では違いを見いだせなかった。また、種内分類群が知られているので、標本レベルでそれらの妥当性を検討した。また、北アメリカ東部に分布するヒメタイサンボクは北方系と南方系で花の匂いやDNAが異なることを報告したが、葉の精油成分でも違いがないかを調べた。エーテル抽出した精油成分を薄層クロマトグラフィーで分析したところ、スポットのパターンにおいて違いがあるように見えるが、個体差が大きく、また、当該物質の同定に至っておらず、さらなる解析が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
花の匂いの捕集や訪花昆虫の観察を行うためには対象となる植物の生きた状態の花が必要だが、対象種の開花期がどうしても春から夏にかけて重なってしまうため、十分な調査ができないことがあるが、複数年継続することでカバーできている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度なので、データの取りまとめを視野に、不足するデータの補強などを行う。
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Causes of Carryover |
交配実験を行い、交雑個体の表現型を解析しているが、栽培に使用できるスペースが限られているため予定通りの個体数(サンプル数)を得ることができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に追加実験を行うことで使用する。
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