2014 Fiscal Year Research-status Report
メタン湧水帯に棲息する進化系統学的に極めてユニークな培養困難細菌のメタゲノム解析
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26440255
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
末永 光 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (90357252)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境メタゲノム解析 / 微生物進化 / ゲノム / バイオインフォマティクス / 極限環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、前年度までに、すでにメタン湧水帯バイオマットより環境DNA(メタゲノムDNA)を抽出し、メタゲノムライブラリの構築している。 そこで26年度は、構築したメタゲノムフォスミドライブラリの全てのDNAインサートの両末端の塩基配列(約500bp)をキャピラリー型DNAシーケンサー(ABI 3730xl:現有機器)により決定した。 次に、DNAインサートのゲノムDNA配列決定を行うわけであるが、通常のメタゲノム解析では、ライブラリ中の全てのクローンをひとまとめにして、それらを細かく断片化し、次世代シーケンサーを用いてシーケンシングを行う。次に、得られた短いDNA配列の共通な配列をつなぎ合わせること(アセンブリ)により、インサートDNAの全長を再構築する。しかしながら、通常は、多種多様な微生物種のゲノム配列が混在しているため、アセンブリの精度は低く、ミスアセンブリが起こる可能性も高い。 本研究(選択的メタゲノミクス)においては、あらかじめ配列決定した全てのDNAインサート末端の塩基配列情報を基に、そのインサートDNAの由来微生物を推定し、目的微生物のPlanctomycetesのみを選別した。この解析には、研究協力者が開発したバイオインフォマティクス手法に基づく系統分類法(Science, 336:608-611, 2012)を利用した。 このようにして選別した約100のフォスミドクローンについて、次世代シーケンサーを用いたDNA塩基配列の決定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キャピラリーシーケンサーによるDNAインサート末端の塩基配列解析については、多少時間を要したものの、次世代シーケンサーによるライブラリDNAインサートの塩基配列決定については、予定どおり終了した。アセンブリの過程においては、複数のアセンブラーを用いて成果物の比較検討を行っている。使用するアセンブラーによって、得られる成果物が全くことなっており、その評価法についても検討を行っている。その中で最も良質な結果ついて選別する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
アセンブリの結果得られた配列をさらに連結するために、ゲノムウオーキングを行う。その結果必要であればフォスミドクローンのDNA塩基配列決定を再度行う。このようにして可能な限り完全長に近いゲノム断片の再構築を行う。並行してゲノム解析も進め、Planctomycetesの生態系における役割を推察する。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサーによる塩基配列決定作業を、当初は外注作業で行う計画であったが、共同研究機関が保有しているシーケンサーを使用することが可能となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において、共同研究機関が保有していないシーケンサー(例PacBio)を用いて外注作業を行う計画を予定しており、その費用に充当する計画である。
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Research Products
(2 results)