2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26440260
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 圭太 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40325569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 光一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70160124)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 全身的協関 / 環境適応能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、正弦波下半身陰圧負荷(SLBNP)の持続的な負荷(SLBNPの平均値)と周期的に変化する負荷(SLBNPの振幅値)を独立して変化させ、脳血液循環調節の静的な調節能と動的な調節能を評価できるシステム構築を主な目的とした。 研究の申請段階において、陰圧負荷のみを想定していたが、陽圧制御も可能となったため、陰圧から陽圧までを連続的に負荷を制御できる正弦波下半身陰陽圧負荷(SLBNPP)装置とした。これにより、持続的な負荷と周期的に変化する負荷の両方について調節できる幅が増えたため、より自由度の高い実験が可能となった。一方で、陽圧時に被験者が装置から押し出されるのを防ぐために測定時の姿勢を従来の仰臥位ではなく座位としたため、姿勢が異なることへの影響を調べる必要が生じた。座位では仰臥位とは異なり、すでに体軸方向に重力負荷が加わっているため、同じ陰圧負荷でも座位の方が循環器系により大きな影響を及ぼすことが知られている。座位での動的な負荷に対する影響については先行研究がないため、予備的検討として、SLBNPが可能な従来型の仰臥位を用いて、姿勢の違いによるSLBNPの影響の違いを成人男性被験者12名で検証した。SLBNPは0.056 Hz (18秒周期)と0.011 Hz (90秒周期)を対象とし、SLBNPによって引き起こされた血圧変動に対する心拍出量の変化および脳血液循環調節の変化をそれぞれの姿勢で比較検討した。血圧変動に対する心拍出量の変化には姿勢の影響がみとめられ、座位時に動的な血管コンダクタンスが低下する変化がみとめられた。一方で、SLBNPによって引き起こされた血圧変動に対する中大脳動脈血流速度には、姿勢の影響はみとめられず、脳血液循環調節の安定性が示された。 今年度は、評価システムの構築については計画以上に進展したが、被験者実験での検証は予備的検討にとどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の主な目的である脳血液循環調節の静的な調節能と動的な調節能を評価できるシステム構築は計画以上に達成することができた。一方で、実験室が入っている建物の耐震工事のため、被験者実験を十分に行うことができず評価システムを用いての実験が姿勢の違いによる影響を検証した予備的な検討にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に構築した正弦波下半身陰陽圧負荷(SLBNPP)装置を用いて、持続的な負荷と周期的に変化する負荷に対する脳血液循環調節能を調べる。静的な調節能と動的な調節能の相互作用について検討を行うため、持続的な負荷については3水準(-20 mmHg, 0 mmHg, +20 mmHg)、周期的に変化する負荷については2水準0.056 Hz (18秒周期)と0.011 Hz (90秒周期)とし実験を行う。また全身加温の有無をパラメータに含めた実験時には、測定時間の関係から、陰圧負荷に多くの水準を含めることが困難であるため、ターゲットとする持続的な負荷を3水準から2水準に絞り実験を行う。これらの実験から、脳血液循環調節の静的な調節能と動的な調節能におよぼす暑熱負荷の影響を総合的に検討する。
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Causes of Carryover |
実験室が入っている建物の耐震工事のため被験者実験を十分に行うことができず、評価システムを用いての被験者実験が姿勢の違いによる影響を検証した予備的な検討にとどまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、耐震工事は終了しているため、春期から夏期にかけて追加の実験を行う。当初予定していた、全身加温による影響については年度末に実験を行う予定である
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Research Products
(2 results)