2016 Fiscal Year Research-status Report
食事誘発性熱産生を指標とした光と食事がサーカディアンリズムへ及ぼす影響の把握
Project/Area Number |
26440262
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
福田 裕美 福岡女子大学, 国際文理学部, 助教 (50551412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健 福岡女子大学, 人間環境学研究科, 教授 (20326474)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食事誘発性熱産生 / 明暗サイクル / サーカディアンリズム / 体格 / 朝型夜型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光と食事がサーカディアンリズム(概日リズム)へ与える影響について、食事誘発性熱産生(DIT)を指標に明らかにすることを目的としている。平成28年度は、平成27年度の実験とアンケート調査を引き続き行い、被験者(女子大学生)を追加した。実験では、同一食を昼(12:00)に摂取した際のDITについて、一日中暗条件(1)と、日中明るく夜間暗い、明暗サイクル条件(2)で検討した。 日中は7:00~18:00とし、夜間は18:00~24:00とした。DimとBrightは、それぞれ50 lx以下、約7000 lxとした。食事の間隔は12時間以上とした。 平成27年度は、被験者の体格をやせ群と普通群に分けたが、光がやせ群と普通群のDITへ及ぼす影響は統計的に有意な違いがなかった。そこで、平成28年度は、被験者をやせ群と普通群に分けることはせずに被験者数を33名に増やし、被験者の体格指数(BMI)とDITとの相関分析を行った。結果として、明暗サイクル条件(2)下では、BMIとDITには統計的に有意な相関はないが、一日中暗条件(1)ではBMIとDITに有意な相関があった(p < 0.01)。したがって、暗条件下では、個人の体質(やせているほどDITが高い)が顕著になるといえる。 平成27年度、28年度のアンケート結果と実験結果より、やせ群と比較して普通群は睡眠習慣がよく、光に影響を受けやすいことが明らかとなった。日中の高照度暴露、夜間の低照度暴露という明暗サイクルの光環境は、ヒトの原始的な生活リズムに最も近いことから、体格が標準的なヒトは、代謝機能を光環境に適応させ、夜間にDITを減少させている可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度前半は、平成27年度のアンケートと実験に関して、被験者数を増し実施した。被験者数は、合計で33名となった。本研究課題で予定していた実験は完了することができた。 研究成果は、国内学会(2件、うち1件は国際的なもの)で発表し、高い評価を得た。平成26年度の研究成果は、国際的な学術誌に投稿中(査読中)であるが、掲載にはまだ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で予定していた実験はすでに完了している。平成29年度は、主に研究成果の発表に努めたい。成果を発表するうえで、必要があれば追実験を行う。
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Causes of Carryover |
学術誌への論文掲載費に充てる予定であったが、現在論文は査読中であり、平成28年度中に掲載確定まで至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学術誌への論文掲載費に充てる。
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Remarks |
所属機関による研究者データベース
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Research Products
(4 results)