2016 Fiscal Year Research-status Report
立位位置が上肢運動時の予測的姿勢制御および注意・予測に関わる脳電位におよぼす影響
Project/Area Number |
26440265
|
Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
前田 薫 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00454687)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勝夫 金沢学院大学, 人間健康学部, 教授 (60190089)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 立位姿勢制御 / 事象関連脳電位 / 高齢者 / 前頭葉機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度の計画は、前頭葉機能に低下が疑われる高齢被験者を対象とした予測的姿勢制御能と運動準備・予測的注意を反映する能活動の関係を検討することであった。これに基づき、被験者を募ったところ、前頭葉機能評価スケール(FAB)でのカットオフ値を超える高齢者が大半であった。結果的に、カットオフ値に近い2名の被験者での測定を実施した。これらの被験者では、前頭葉機能である予測的注意および運動準備の状態を反映する脳電位であるCNVが、ほぼいずれの初期立位位置においても認められた。これは、健康な高齢者を対象として実施したH27年度の結果と同様であった。これらのことは、FABによって推定される前頭葉機能の低下とCNVの関係が認められないことを示唆する。ただし、CNV波形の詳細な検討は未実施であり、被験者数を増す必要があることから、結果の解釈が変更となる可能性は十分にある。局所筋に対する姿勢筋の先行活動については、測定中の観察からは明らかにできないため、詳細な分析を要する。健康な高齢者では、上肢運動の主動筋である三角筋前部線維の活動に先行する下肢筋の活動が認められ難いという結果が得られていることから、FABの得点が低い被験者では、三角筋に対する下肢筋の活動タイミングの遅れがより顕著になるかもしれない。今後、FABがカットオフ値以下となる高齢者を対象とする測定を継続する。もし、それが困難な場合には、被験者をFABの得点が低い群と高い群に分けて比較することが必要となるかもしれない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前頭葉機能に低下が疑われる高齢被験者の確保が、計画通りにできなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
被験者の確保を以下の手段で行う。①大学周辺地域の町会を通じての依頼。②大学で開催する転倒予防セミナー参加者に対する依頼。③過去に被験者となった高齢者に紹介を依頼する。
|
Causes of Carryover |
H28年度に実施予定の研究が、被験者確保が十分にできずに大幅に遅れた。このため、予算使用期間の延長申請を行い承認された。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者謝金を第一として、実験消耗品の購入、論文作成の打ち合わせのための旅費、および学会参加のための旅費として使用する。
|