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2014 Fiscal Year Research-status Report

澱粉粒を巨大化させるしくみの解明と利用

Research Project

Project/Area Number 26450004
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

松島 良  岡山大学, その他部局等, 助教 (80403476)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords澱粉粒 / イネ / 胚乳 / 突然変異体 / 澱粉
Outline of Annual Research Achievements

「澱粉粒」とは、植物内で合成された澱粉が形成する粒子のことであり、植物種によってその形状ならびに大きさは多様性を示す。例えばイネの場合、複数の澱粉小粒子が1つの澱粉粒として集合しており「複粒型」と呼ばれる。これに対して、1つの澱粉小粒子から成る澱粉粒 (例えば、コムギやトウモロコシのもの)は「単粒型」と呼ばれる。さらに、澱粉粒の大きさには、同じ属間においてさえも多様性があり、その大きさは植物種によって千差万別である。澱粉粒の用途は2000種類以上にのぼり、年間約7000万トン以上の関連製品が世界で流通している。澱粉粒の利用用途と精製効率を規定しているのは、この澱粉粒の大きさである。本研究課題では、申請者が独自の方法で単離した澱粉粒が巨大化するイネの突然変異体ssg4とssg6変異体の解析を通して、澱粉粒の大きさを決定する分子群の同定とその機能解明を行なうことを目的としている。さらに、得られた知見を利用して澱粉粒の大きさを制御する技術の開発を目指している。
ssg4変異体に関しては、マップベースクローニング法によって、原因遺伝子の単離に成功し、機能解析を行なっている。SSG4遺伝子は、アミロプラスト(澱粉粒を合成するオルガネラ)に局在する、機能未知のタンパク質であった。澱粉粒の大きさを巨大化させる分子としては、最初の報告例である。しかし、その作用機序ならびに共同働く分子に関して、全く不明である。本研究により解明を進める予定である。また、ssg6変異体に関しても同定ならびに機能解析実験を進めている。SSG4とSSG6の相互作用関係も明らかになりつつ在り、新しい知見の獲得が期待できる状況にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度は夏期の天候にも恵まれ、圃場実験に関しては予定した計画を概ね実施することが出来た。また、冬期には保存しておいた乾燥種子の胚乳に関する実験を集中的に行うことにより、効率的に実験計画を進めることができた。
ssg4変異体の解析に関しては、これまで得られていた結果をまとめ、原著論文の発表ならびに総説の発表を行なった。また、ssg6変異体に関しても、原因遺伝子の単離ならびにコンプリメンテーションテストに成功し、機能解析に取りかかっている状況である。ssg6変異体の解析結果に関しても、論文草稿を準備中である。さらに今年度は、澱粉粒の形状に異常を示す新奇の変異体を単離するために、イネの突然変異処理系統を約3000系統作出した。これらの系統のスクリーニングを冬期に行った。現在までに、新しい変異体が複数系統単離できており、今後の解析が期待できる状況にある。

Strategy for Future Research Activity

① SSG6遺伝子の機能解析  SSG6タンパク質の時空間的な発現部位を明らかにするために、リアルタイムPCRによる発現解析実験ならびにGFP融合タンパク質を用いた細胞内局在解析実験を行なう。
② ssg4ssg6二重変異体ならびに新奇変異体のスクリーニングと表現型解析  ssg4ssg6二重変異体を作出し、表現型を観察する。必要な交配は昨年度既に行なっている。さらに、今年度作出した突然変異処理集団から澱粉粒が巨大化する変異体のスクリーニングを続け、育成する予定である。
ーーーーーーー
平成27年度は、研究費の大半を消耗品として使用する予定である。具体的には、① SSG6の機能解析→ 時空間的な発現部位の把握、細胞内局在性の同定のための消耗品。形質転換体の作出のための外部委託費用。塩基配列決定のための試薬類。② 多重変異体ならびに新奇変異体のスクリーニングと表現型解析 → 植物育成のための器具、消耗品。顕微鏡観察のための試薬類への支出を計画している。その他、年2~3回の研究集会、学会参加を計画しており、そのための旅費として使用を計画している。

Causes of Carryover

購入商品の価格が当初想定した金額よりも若干安価だったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

植物育成に必要な消耗品の購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Morphological variations of starch grains.2015

    • Author(s)
      Matsushima, R.
    • Journal Title

      Starch: Metabolism and Structure, Springer

      Volume: in press Pages: in press

  • [Journal Article] Deficiencies in both starch synthase IIIa and branching enzyme IIb lead to a significant increase in amylose in SSIIa- inactive japonica rice seeds.2014

    • Author(s)
      Asai, H., Abe, N, Matsushima, R., Crofts, N , Oitome, N. F. , Nakamura, Y. Fujita, N.
    • Journal Title

      Journal of Experimental Botany

      Volume: 65 Pages: 5497-5507

    • DOI

      doi: 10.1093/jxb/eru310

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] イネ胚乳の澱粉粒形成機構のシミュレーション解析2015

    • Author(s)
      松島良,前川雅彦,坂本亘
    • Organizer
      日本育種学会 第127回シンポジウム
    • Place of Presentation
      玉川大学
    • Year and Date
      2015-03-22 – 2015-03-22
  • [Presentation] 穀類の澱粉粒の形状多様性についての研究2014

    • Author(s)
      松島良
    • Organizer
      おかやまバイオアクティフ研究会 第45回シンポジウム
    • Place of Presentation
      倉敷市芸文館 アイシアター
    • Year and Date
      2014-06-27 – 2014-06-27
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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