2015 Fiscal Year Research-status Report
イネの穂の分枝パターンとメリステム構築を結ぶ遺伝的機構の解明
Project/Area Number |
26450007
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
永澤 信洋 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (90599268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永澤 奈美子 (佐藤奈美子) 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00535289)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発生 / 花 / イネ / 突然変異体 / 分枝パターン / メリステム |
Outline of Annual Research Achievements |
突然変異体の単離について:得られていた12-TS-179はMOC1遺伝子に突然変異をもつことが明らかになった。また、log様突然変異体2系統はいずれもLOG遺伝子に突然変異を持つことが明らかになった。また14-AS-262,14-AS-437,15-AS-275の3系統があらたにlax2様の異常を示すことが明らかとなり、うち12-AS-262は昨年優性突然変異である可能性を示す分離比を示した。また15-AS-185はlax様の異常を示すが、護穎の穎化が全ての穎花で見られるなどこれまでに報告のない異常も示すため、引き続き遺伝解析を行っていく。またあらたに15-TS-286という系統が得られ、一次枝梗の基部の方に分枝した二次枝梗の分裂組織の活性が低下することで、分枝が作られない突然変異体の可能性がある形質を示している。メリステムの遺伝子として、LOGやWOXが考えられ、それらが分枝パターンの遺伝子に制御されていると考えられる。遺伝子間の相互作用を調べるためには2重劣性突然変異体の作成を行っている。本年にlog moc1の組み合わせを展開できる。その他apo1,apo2,fzp,lax2様とlogの各組み合わせのF1を作成し、来年展開できる予定である。Insitu hybridizationの立ち上げが終わり、HistonH4の発現は調べられるようになった。 形質転換体を利用しての解析では、ベクターコンストラクションで難航しているが、apo2突然変異体にオーキシン反応性プロモーターDR5をつないだRFPを導入した個体は得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね予想通りに進行している。新規突然変異体の作出は過去2年に想定していた以上に新しいアリルまたは新規遺伝子と思われる突然変異体が得られている。突然変異体の解析については2重劣性突然変異体の作出には時間を要するため、概ね予想していた範囲の進捗状況である。形質転換体の作成は、あきたこまちを用いた場合の効率の悪さが問題となっており、それを改善する報告に基づいた試みをしていただいたが、改善できておらず、さらなる改善が必要と考えられる。またベクターのコンストラクションも進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
突然変異体や交配個体の解析、新しい突然変異体の作出はこのまま続けていく。形質転換体の作出に関しては、あきたこまちを背景に持つ系統に関して培養方法を大幅に変更する。コンストラクションにエネルギーを傾注する。
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Causes of Carryover |
ベクターコンストラクションに遅れが生じているために、形質転換体作成のための予算を次年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
形質転換体を作出するのに、16万円で2種類のコンストラクとを入れるための実費(プラスチック消耗品や培地など)は出せると判断したので、それらの目的に使用する。
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Research Products
(2 results)