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2014 Fiscal Year Research-status Report

IRE1の欠損による種子大型化の原因解明

Research Project

Project/Area Number 26450010
Research InstitutionOsaka Prefecture University

Principal Investigator

三柴 啓一郎  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (70390888)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords小胞体ストレス応答 / 遺伝子導入 / 種子 / シロイヌナズナ
Outline of Annual Research Achievements

申請者はこれまでに小胞体ストレスのセンサータンパク質であるIRE1が、小胞体で翻訳されるタンパク質をコードするmRNAを分解する働きを持つことと、小胞体ストレスで誘導される細胞死を抑制する役割を持つことを発見している。また申請者は、シロイヌナズナire1変異体(ire1a/ire1b二重変異体)種子の大型化を見出している。そこで本研究では、ire1変異体種子が大型化した原因を解明し、IRE1の種子発達過程における機能を明らかにすることを目的としている。
本年度はまず、シロイヌナズナire1変異体、bzip60変異体、及び野生型において、異なる発達ステージの莢(長角果)をサンプリングし、莢から種子(受精後の胚珠)を摘出してRNAを単離した。得られたRNAよりcDNAを合成し、リアルタイムPCRにより種子発達過程で発現量が増加する2Sアルブミンなどの種子貯蔵タンパク質遺伝子や、オレオシンなどのオイルボディ形成に関与する遺伝子のmRNA発現量の解析を行った。
さらに、ire1変異体と野生型の種子を固定し、ウルトラミクロトームで超薄切片を作製して透過型電子顕微鏡(TEM)で細胞内の微細構造を観察した。その結果、野生型と比較してire1変異体では、細胞中のプロテインボディが占める割合に差異が認められた。
IRE1の活性化を確認するための実験材料として、ire1変異体にFLAGタグ配列を付加したIRE1遺伝子の導入を進めており、現在組換え体の選抜と解析を試みている。また細胞内の脂質組成の変化によりIRE1の活性化が起こるかを調査するために、脂質組成を変化させるグリセロール処理を行った植物組織のmRNA発現解析を試みた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の研究によりire1変異体種子の大型化は、種子細胞中のプロテインボディの肥大化によって細胞容積が増大したことによる可能性が示唆された。このことから、種子貯蔵タンパク質のmRNA発現は、IRE1のmRNA分解活性(RIDD)により制御させている可能性が考えられる。これを検証するために、現在タグ配列を付加したIRE1遺伝子を導入した組換え体を選抜しているところであり、次年度にこれら組換え体を用いた詳細な解析を行う予定である。
種子貯蔵タンパク質mRNAの種子発達過程における発現解析についても現在進めているところであるが、RNA単離のためには異なる様々なステージの胚珠を多数摘出する必要があり、次年度も継続して解析を進めていく必要がある。
以上の成果より、本研究の目的である「IRE1の欠損による種子大型化の原因解明」に向けた基礎的知見が得られつつあり、本年度の研究はおおむね順調に進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究では、IRE1の欠損と種子組織の細胞におけるプロテインボディの肥大との因果関係を明らかにするために、種子発達過程でIRE1の活性化が起きていることを証明する必要がある。このためには、種子貯蔵タンパク質をコードするmRNAの発現解析に加えて、FLAGタグを付加したIRE1を導入した変異体を用いてIRE1のリン酸化が起こるかについて解析する。
また種子の発達過程で生じるトリグリセリドによって、IRE1が活性化することを検証する必要がある。動物細胞ではIRE1の小胞体内腔側のセンサードメインは脂質によるIRE1の活性化には必ずしも必要でない、という報告があるので、センサードメインを欠失させた変異型IRE1をire1変異体に導入することで、種子大型化の表現型が相補され、この変異型IRE1が種子発達過程で活性化が起こるかを調査する。
これらの解析結果を分析し、IRE1の活性化が種子貯蔵タンパク質の蓄積を制御している可能性について検討したいと考えている。

Causes of Carryover

次年度により多くの消耗品類の購入を予定しているため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究計画に従い、消耗品費と人件費に使用する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2015 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Exogenous salicylic acid activates two signaling arms of the unfolded protein response in Arabidopsis.2014

    • Author(s)
      Yukihiro Nagashima, Yuji Iwata, Makoto Ashida, Kei-ichiro Mishiba, Nozomu Koizumi
    • Journal Title

      Plant & Cell Physiology

      Volume: 55 Pages: 1772-1778

    • DOI

      10.1093/pcp/pcu108

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Ligation of bZIP60 mRNA cleaved by IRE1 in Arabidopsis2015

    • Author(s)
      Yukihiro Nagashima, Yuji Iwata, Kei-ichiro Mishiba and Nozomu Koizumi
    • Organizer
      日本植物生理学会
    • Place of Presentation
      東京農業大学
    • Year and Date
      2015-03-16 – 2015-03-18
  • [Presentation] Molecular mechanism of proteolytic activation of bZIP28, an Arabidopsis membrane-bound transcription factor involved in the unfolded protein response2015

    • Author(s)
      Makao Ashida, Yuji Iwata, Kei-ichiro Mishiba and Nozomu Koizumi
    • Organizer
      日本植物生理学会
    • Place of Presentation
      東京農業大学
    • Year and Date
      2015-03-16 – 2015-03-18
  • [Presentation] IRE1による細胞質スプライシングの生化学的解析2014

    • Author(s)
      長島幸広、岩田雄二、三柴啓一郎、小泉望
    • Organizer
      日本植物細胞分子生物学会
    • Place of Presentation
      いわて県民情報交流センター
    • Year and Date
      2014-08-21 – 2014-08-22
  • [Remarks] 研究グループHP

    • URL

      http://www.plant.osakafu-u.ac.jp/~mishiba/

URL: 

Published: 2016-05-27  

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