2016 Fiscal Year Annual Research Report
An investigation of the cause of seed enlargement due to the loss of IRE1
Project/Area Number |
26450010
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
三柴 啓一郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70390888)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス応答 / 遺伝子導入 / 種子 / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シロイヌナズナire1変異体(ire1a/ire1b二重変異体)種子が野生型種子と比較して大型化した原因を解明し、IRE1の種子発達過程における機能を明らかにすることを目的としている。 本年度はIRE1活性化を解析するための実験材料として、ire1変異体にFLAGタグ配列を付加したIRE1A/B遺伝子と、それらのRNase活性やkinase活性をそれぞれ欠損させたΔRNaseとΔKinase、さらにIRE1Bのセンサードメインを欠損させたΔSDを作製し、ire1変異体へ導入した。野生型のIRE1A/Bを導入した組換え体では、タンパク質の糖鎖修飾阻害剤であるツニカマイシンの処理によりBiP3遺伝子の発現誘導やPR-4遺伝子のRIDDによる分解が観察され、導入遺伝子が変異を相補することを確認した。さらに、ΔRNaseとΔKinaseではBiP3発現誘導やRIDDが起きないことも見出した。興味深いことに、ΔSDを導入した系統で、大型化した種子サイズが野生型のサイズにまで回復したことが見出された。このことから、種子サイズの変異にはセンサードメインを伴わないIRE1活性化が関係していることが推定された。 本研究ではさらに、小胞体膜の飽和脂肪酸の増加による、センサードメイン非依存的なIRE1活性化について検証した。グリセロール処理により植物組織の脂肪酸組成を変化させた報告に基づいて、シロイヌナズナ植物体にグリセロール処理を試みたところ、飽和脂肪酸が増加することを確認した。そこでグリセロール処理によるPR-4 mRNA発現を野生型とire1変異体で比較した結果、発現に差異が認められた。さらにIRE1BやΔSD系統でも、野生型と同様のPR-4発現が認められたことから、飽和脂肪酸の増加によりセンサードメインを介さずにRIDDが起きている可能性が示唆された。
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