2015 Fiscal Year Research-status Report
アフリカにおける陸稲栽培の安定化に資するストライガ抵抗性品種作出の基盤構築
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26450019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鮫島 啓彰 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 研究員 (50580073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 幸裕 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10243411)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ストライガ抵抗性 / 栽培環境 / NERICA / 陸稲 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サブサハラアフリカ地域に分布する根寄生雑草ストライガ(Striga hermonthica)に対して安定した抵抗性を示す陸稲品種作出につながる知見の収集を目的としている。 ストライガに寄生されやすいことを確認したNERICA4と、ストライガに寄生されにくいという報告があるNERICA1の交配を行った。NERICA1は香り米であり、NERICA4とならびアフリカ各国で導入が進んでいる品種である。NERICA4/NERICA1およびNERICA1/NERICA4の組み合わせともに、100粒を超える交配種子を確保した。F2種子を採取するための栽培試験が進行中である。 ストライガの寄生には、品種の特性のみならず栽培環境も影響し、窒素施肥量もストライガと宿主の関係に影響を及ぼすと考えられている。そこで、窒素施肥量を、慣行量、半量、倍量の3処理を設けて、Umgar(抵抗性品種)、NERICA5(抵抗性品種)、NERICA4(感受性品種)を栽培した。その結果、抵抗性品種UmgarとNERICA5は、窒素施肥量によらずストライガ抵抗性を示した。農家の施肥量は一定ではなく、推奨される量より少ない施肥を行う場合も想定されるが、これまでに選抜したUmgarとNERICA5については、窒素施肥を減らしした場合にも抵抗性を示すと考えられた。 一方、感受性品種のNERICA4では、窒素施肥を倍量にした区で最もストライガ出現数が多かった。NERICA4では、窒素施肥量が少ない場合、根の生育が劣り、ストライガとの接触が減る可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に作出したNERICA4とUmgarの交配種子の作出に続き、新たにNERICA4とNERICA1の交配も完了した。また、これまでに抵抗性品種として選抜したUmgarとNERICA5について、抵抗性を示す窒素施肥量を把握できたことから、順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
採取したF2種子を水耕栽培し、根滲出液を含む水耕液をストライガ種子に与えることで、F2個体のストライガ抵抗性を評価する。ストライガ抵抗性を示した個体からの水耕液を、ストライガ種子発芽刺激活性が高い合成物質GR24とともに用いることで、抵抗性のメカニズムに発芽阻害物質が関与しているかを調査する。 抵抗性の評価後、F2個体は圃場に移植しF3種子を採取する。移植したF2個体について、草丈、分げつ、到穂日数などの生育調査を行い、各系統の特徴を把握する。
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Research Products
(1 results)