2014 Fiscal Year Research-status Report
高濃度二酸化炭素環境下におけるオゾンが水稲に及ぼす影響とその品種間差の要因解明
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26450027
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター, その他部局等, 研究員 (40425658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増冨 祐司 茨城大学, 農学部, 准教授 (90442699)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水稲 / オゾン / 二酸化炭素 / 収量 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の水稲の収量等に対して、光化学オキシダントの主成分であるオゾン(O3)による悪影響の発現が高濃度二酸化炭素(CO2)環境下で変化するか評価するとともに、O3とCO2の単独および複合影響の品種間差異が発現する要因を調べるために、当該年度では、すでに開発した小型オープントップチャンバーを改良しO3やCO2を添加する装置を作成し、それぞれの濃度制御等の評価を行い、O3とCO2添加実験手法を確立した。 具体的には、開発した小型オープントップチャンバーに隣接して市販の物置を設置し、O3発生器、CO2ボンベ、CO2ガスの供給量を制御するための流量計等を配置し、小型OTCへガスを分配するように改良した。この改良した小型Oオープントップチャンバーのガスの制御精度の評価を行ったところ、O3除去効率は、O3除去区ではO3濃度が高い夏期においても野外のO3の約60%が除去されており、O3除去区の濃度は植物にほとんど悪影響を与えないレベルであった。また、小型オープントップチャンバー内にCO2を添加し、野外+100ppm、200ppm、400ppmになるように調整し、その精度を検証したところ、全ての濃度段階である程度精度良くCO2が制御されていた。O3添加についても同様に制御されており、O3とCO2添加が可能な仕様となった。当該年度において改良した小型オープントップチャンバーを用いて次年度以降の水稲に対するO3とCO2添加実験の実施が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度において改良した小型オープントップチャンバーを用いて次年度以降の水稲に対するオゾンと二酸化炭素の添加実験の実施が可能となり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
改良した小型オープントップチャンバーを用いて、水稲の収量に対するオゾンと二酸化炭素の添加実験を実施し、光化学オキシダントの主成分であるオゾンによる悪影響の発現が高濃度二酸化炭素環境下で変化するか評価する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた物品や旅費ならびに人件費の支出等が少なかったため、次年度使用額に変更が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に実験実施の際の経費に充当する予定。また、状況によってはアルバイトの雇用など人件費として使用予定。
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