2015 Fiscal Year Research-status Report
高濃度二酸化炭素環境下におけるオゾンが水稲に及ぼす影響とその品種間差の要因解明
Project/Area Number |
26450027
|
Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター, その他部局等, 研究員 (40425658)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増冨 祐司 茨城大学, 農学部, 准教授 (90442699)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | オゾン / 二酸化炭素 / 水稲 / 収量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2年目)は、水稲品種の収量等に対するO3とCO2の単独および複合影響について、前年度(1年目)に作成した小型オープントップチャンバーを用いた暴露実験によって調べ、O3の悪影響発現が高CO2環境下で変化するか評価した。 水稲品種(コシヒカリ、彩のかがやき)を用いて、O3濃度3段階[O3除去区(CF)、野外O3濃度区(NF)、野外O3濃度+30ppb区(O3)]と、CO2濃度2段階[野外CO2濃度区、野外CO2濃度+150ppb区(CO2)]を設け、其々のガス処理条件を掛け合わせた6処理区(各3チャンバー反復)を設けた。5月下旬~10月上旬まで育成し、収量を計測した。 各処理条件で育成したコシヒカリと彩のかがやきの収量および収量構成要素について検討した。その結果、両品種ともCO2添加による有意な影響は認められなかった。コシヒカリにおいては、CO2添加によって子実の総数は増加したが不稔実数も増加し不稔実割合が増加したため増収は認められなかった。一方、オゾンにより収量が低下する傾向が認められた。オゾンによる収量低下の主な要因は、コシヒカリにおいては一穂当たりの稔実数の低下、彩のかがやきにおいては一穂当たりの稔実数の低下と個体あたりの穂数の低下であった。また、O3とCO2の複合影響は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(2年目)は、水稲品種の収量等に対するO3とCO2の単独および複合暴露実験を実施し、おおむね順調に進展していると思われる。 。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度(3年目)は本年度(2年目)と同様に、水稲品種の収量等に対するO3とCO2の単独および複合暴露実験を実施し、総合考察を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた海外発表を取りやめたことなどもあり旅費等の支出がすくなくなったため次年度使用額が生じた
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に、実験実施の際の物品費とアルバイトの雇用など人件費に充当する予定としている。
|