2014 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護と園芸療法を融合した新しい高齢者健康支援システム「訪問園芸」の提案と検証
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26450028
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩崎 寛 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70316040)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 訪問園芸 / 訪問看護 / 園芸療法 / 高齢者 / 地域ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.訪問園芸の試験的実施:初年度は予備調査として都市域において試験的に高齢者宅を訪問し、園芸活動を実施した。その結果、学生が訪問することにより、高齢者の発話や行動が活発になること、また継続的に庭の手入れをすることによって、高齢者とのコミュニケーションが円滑になることなどが示唆された。また、被災地の仮設住宅における実施に関しては、申請時は福島県で実施する予定であったが、先方の都合により、岩手県陸前高田市に変更して実施した。この地域においては、孫の子育て支援をしている高齢者も多く、それらのストレスに対するケアとして看護師と連携した園芸プログラムを年間3回実施した。園芸プログラム中の参与観察により発話や行動を分析した結果、園芸作業を介することで、看護師のみでの支援活動よりも被災者との相談が円滑になることや、植物との触れ合いにより主観的なストレスが軽減されること等が示唆された。
2.海外事例調査:初年度にスウェーデン農科大学を訪問し、高齢者福祉の先進事例を調査する予定であったが、先方の都合により、訪問は次年度となった。その代わりに、11月にスウェーデン農科大学のパトリック教授が来日され、スウェーデンの緑化と福祉の現状について報告していただくと同時に、次年度の調査についての打ち合わせや意見交換を実施した。
3.訪問園芸マニュアルの作成:日本での試験的実施の結果と、スェーデンでの事例調査を元に作成する予定であったが、先述の通り、事例調査が次年度に変更になったことから、マニュアルの作成は次年度以降に持ち越しとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度予定していた海外事例調査が次年度に延期になったため、やや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
<初年度実施による次年度以降の展開> 試験的実施の結果、高齢者の個人宅での訪問園芸だけでは地域の高齢者のケアが十分でないことも課題として見つかったことから、次年度以降は個人宅以外の緑地空間における園芸作業についても検討する予定である。具体的には「個人宅の庭」を「地域の農地」に置き換え、それ以外の調査内容は変更せず、大学生が地域の農地に伺い、共に園芸作業をすることで、高齢者ケアとしての効果について考察を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に海外事例調査としてスウェーデンに行く予定であったが、先方の事情により、次年度に変更になったことから、海外旅費に充てていた分の予算が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度にスウェーデンにおける海外事例調査を実施する予定であったが、次年度に変更になったことから、次年度に海外旅費として使用する予定である。
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