2014 Fiscal Year Research-status Report
日本自生種の耐暑性を導入したキウイフルーツの温暖化適応力の解明と育種的活用
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26450036
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 教授 (60135548)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | キウイフルーツ / 耐暑性 / 自生種 / シマサルナシ / 種間雑種 / 品種改良 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.発芽は,A. chinensis(FCM1雄系統), A. rufa(府中雌系統),それらの種間雑種系統ともに3月中旬と早かった.開花開始はFCM1で4月下旬,府中系統で5月下旬であり,種間雑種は5月上旬と両親の中間であった.果実発育は府中系統と種間雑種で類似したが,成熟期は府中系統の11月中旬に対して,種間雑種では10月下旬と早かった.本年度は夏期が冷涼で,葉やけ発生は限定的であったが,FCM1では一部に発生し,府中系統と種間雑種では発生しなかった. 2.9月上旬の晴天日の個葉の光合成速度は,両親の種,種間雑種ともに,午前中にピークがあり,午後は蒸散速度と気孔コンダクタンスの低下をともない低下した.陽葉の光補償点は両親の種,種間雑種ともに76~80マイクロモル/平方メールトル/秒で,光飽和点は,A. chinensisで1200マイクロモル/平方メールトル/秒でA. rufaでは1500マイクロモル/平方メールトル/秒以上,種間雑種で約1200マイクロモル/平方メールトル/秒であった. 3.切り枝を7.2℃以下の低温遭遇300時間で採取し20℃で保持したところ,府中系統は2週間後に95%以上が発芽した.一方,FCM1系統は,3週目より発芽し,8週目で40%が発芽した.種間雑種は,これらの中間であった.低温遭遇600時間では発芽が早まったが,全体の傾向は300時間と同様であった. 4.種間雑種の染色体倍加を目的に,培養下での不定芽分化を検討したところ,休眠枝の水挿しで得たシュートの葉柄を,1/2濃度のMT培地にゼアチン9.12マイクロモルを添加した培地で培養した場合,活発に不定芽分化した.不定芽からのシュート伸長に2ipの添加効果はなかった.不定芽からのシュートにIBA2000ppm処理して,バーミキュライトに挿し木することで,低率ではあったが発根個体が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.発芽から成熟までの生育様相についての特性は,ほぼ完了したが,本年度は,夏期の天候不順のため,葉やけの発生が少なかったことから,この点については次年度も継続して調査を行う予定である. 2.光合成速度,蒸散速度,気孔コンダクタンスなどの光合成特性については,自然条件下での基本的な特性調査を完了した.光阻害については,測定誤差が大きかったことから,再度調査を行う予定である. 3.芽の発芽における低温要求性については,両親と種間雑種の各系統について,評価を完了した. 4.種間雑種の染色体倍加を目的とした培養条件下での不定芽分化のための培地条件はほぼ確定し,再生個体を得た.さらにシュート伸長と発根条件については,さらに高率となるように改善する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた結果を踏まえて,次年度の研究項目を進展させる予定である.野外での調査項目では気象条件の影響を受けるため,年次変動を補うため継続して調査を実施することとする.
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Causes of Carryover |
主要物品について,購入した携帯型クロロフィル蛍光測定装置の納入価格が,輸入代理店の変更に伴い予定額より16万円程度減となったこと,旅費について,現地調査および学会参加旅費を別途予算より充当したことにより,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,翌年度分と合わせて,当初予定の消耗品の購入,現地調査の旅費,学会参加旅費に充当する予定である.特に,実験材料個体の維持管理のための資材購入および定期的な現地調査の旅費に加算する.
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