2014 Fiscal Year Research-status Report
Solaum gilo等の細胞質を用いたナス雄性不稔系統の育成
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26450038
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
一色 司郎 佐賀大学, 農学部, 教授 (40253588)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | eggplant / male sterile |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、新規のナス属野生種2種(Solanum gilo及びS. macrocarpon)を用いてCMS系統を育成し、それらの特性及び遺伝様式を解明し細胞質の育種的利用を目指すものである。 まず、S. giloの細胞質の利用したCMSの育成についてである。S. giloを種子親、ナスとのF1について、F1(‘Uttara’)では見られなかったが、F1(‘千両二号’)では見られた。アセトカーミンによる花粉の染色率は、S. giloが86.8%、‘Uttara’が95.4%、F1(‘千両二号’)では5.1%であった。人工培地上での花粉の発芽率は、S. giloが53.5%、‘Uttara’が73.9%、F1(‘千両二号’)では0.04%であった。また、F1(‘Uttara’)に‘Uttara’の花粉を受粉した結果率は0%であった。葉緑体およびミトコンドリアDNAの分析の結果、供試したF1の制限パターンがS. giloのものと同一であることがわかった。 次に、S. macrocarponの細胞質の利用したCMSの育成についてである。S. macrocarponとナスのF1が不稔である。そこで、雑種の稔性を回復させるためにコルヒチン処理を行った。その結果、花粉のアセトカーミン染色率は、F1が7.6%であるのに対し、複二倍体は17.7%、複二倍体自殖実生は22.3%、BC1は41.4%と高くなっていた。花粉の発芽率に関しては、F1が0.3%であるのに対し、複二倍体が2.1%、複二倍体自殖実生が0.3%、BC1が3.3%となり若干の回復がみられた。根端細胞の体細胞染色体数では、F1が2n=24であるのに対し、複二倍体自殖実生については2n=48、BC1については2n=36の染色体数が確認できた。 今後、上記のF1やBC1に戻し交雑をして、CMS系統作成が可能と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度はきわめて順調に進展していると言える。 S. giloの細胞質の利用したCMSの育成については、F1まで育成できており、また、S. macrocarponの細胞質の利用したCMSの育成についてではBC1まで育成できている。 今後、戻し交雑を継続していけばCMSを育成できる可能性が高いと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策の方向性は、これまでと同様で、戻し交雑を粛々と進めていくことでCMSを育成できる可能性が高いと思われる。
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Research Products
(2 results)