2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of male sterile lines of eggplant using cytoplasms of Solanum gilo and related species
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26450038
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
一色 司郎 佐賀大学, 農学部, 教授 (40253588)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | eggplant / male sterile / wild species |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、野生種Solanum giloとS. macrocaronの細胞質を利用したナスの雄性不稔系統の育成が可能であるかどうかの調査を行った。 S. giloを種子親、ナスを花粉親としてそれぞれF1、BC1およびBC2を作出した。今回の調査では、S. gilo、‘Uttara’、BC2の個体を用いた。調査内容は、実験1として稔性回復遺伝子(Rf)の有無、花粉のアセトカーミンによる染色率、人工培地上での発芽率、結果率、1果あたりの種子数および種子の発芽率の調査を行った。実験2として細胞質の同定のために葉緑体DNAのrbcL-ORF106領域およびミトコンドリアDNAのV7領域においてPCR-RFLP分析を行った。それらの結果から、BC2が花粉の数が非常に少ないことがわかり、また、これまでの稔性回復遺伝子とは関連がないといえる。S. giloの細胞質がナスに対して、花粉数が少ないタイプの新たな雄性不稔性をもつ可能性があると考えられる。 ナス‘Uttara’ S. macrocarponとその複二倍体と戻し交雑後代BC1を供試材料とした。これらについて、花粉のアセトカーミンによる染色率、花粉の人工培地上での発芽率、葯の裂開の有無を調査した。さらに、葉緑体DNAのrbcL-ORF106領域およびミトコンドリアDNAのV7領域についてPCR-RFLP分析を行った。それらの結果、PCR-RFLP分析では、ミトコンドリアDNAのV7領域について制限酵素ScrFⅠ、葉緑体DNAのrbcL-ORF106領域について制限酵素RsaⅠを用いた結果、BC1は野生種型であった。S. macrocarponとナスとの複二倍体の後代の花粉稔性は、低いままであり、このまま戻し交雑をすることにより雄性不稔系統が期待できる。
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Research Products
(2 results)