2015 Fiscal Year Research-status Report
ラベンダーの香調を決定するモノテルペン生合成調節因子の解明
Project/Area Number |
26450045
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
津呂 正人 名城大学, 農学部, 教授 (40410774)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ラベンダー / 連鎖地図 / QTL / 精油 / siRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ラベンダー精油成分の生産量を調節するQTLの解析 真正ラベンダー‘濃紫3号’と‘エレガンスアイス’との交雑で得られたF1集団を用いてAFLPおよびSSRマーカーを座乗させた分子連鎖地図を構築していており、本年度はすべての個体で開花したため、花穂を採取し、水蒸気蒸留によって精油を抽出している。合わせて、得られた精油をGC分析に供試し、各個体の精油成分量を解析している。 (2)精油成分生合成遺伝子を導入したラベンダー形質転換体の作出 ラベンダーの主要精油成分である1,8-シネオールおよびリナロール生合成遺伝子の発現をsiRNAによって抑制するよう設計したバイナリープラスミドをラベンダー種間雑種のラバンジンに導入し、再分化個体を獲得した。siRNA誘導型1,8-シネオール合成酵素遺伝子を導入した形質転換体では、非形質転換体と比較して葉での1,8-シネオール合成酵素遺伝子の発現量が著しく抑制され、1,8-シネオール生産量も大幅に減少していたが、他の精油成分の生産も著しく減少しており、総精油生産量が有意に低下していた。一方、精油成分比に大きな変動はなく、香調に変化は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精油成分の抽出を水蒸気蒸留で行っており、94個体3反復の抽出にはきわめて多くの労力と時間が必要であり、未だ全個体の抽出には至っていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
F1集団では本年度も開花が見込まれるため、継続して精油の抽出・分析を行う。合わせて、F2の作出も試み、新たに開発したSSRマーカーも含めてより詳細な分子連鎖地図を構築する予定である。 また、siRNA誘導型1,8-シネオール合成酵素遺伝子を導入したラバンジンは今年度開花が見込まれるため、花穂における1,8-シネオール合成酵素遺伝子の発現解析を行うとともに、精油成分を抽出・分析し、導入遺伝子の影響を調査する。また、siRNA誘導型リナロール合成酵素遺伝子を導入したラバンジンでは葉におけるリナロール合成酵素遺伝子の発現解析を行うとともに精油成分に及ぼす影響を解析する。
|
Causes of Carryover |
1) GC分析に使用するカラムの寿命が長く、これまで交換の目安とされてきた所定の分析回数を大幅に超えて利用できているため、カラム購入回数が少なかった。 2) siRNA誘導型コンストラクト作成にGATEWAYシステムを導入することで試薬類および酵素類の種類と使用量が大幅に減ったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は大量の精油抽出サンプルを分析するため、昨年度より多くカラムを消耗することが見込まれるため、カラム購入に差額を充てる予定である。また、形質転換体の発現解析も昨年度より多く見込まれるため、解析に必要な器具および試薬類に差額を充てる予定である。
|
Research Products
(3 results)