2014 Fiscal Year Research-status Report
植物におけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性の分子基盤の解明
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26450058
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
石川 敦司 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (70264687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非宿主抵抗性 / イネいもち病菌 / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、植物のイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性(侵入・伸展抵抗性)を制御する新規因子の同定と機能解析ならびに植物の制御因子と相互作用する病原菌因子の同定と機能解析を行い、非宿主抵抗性における双方の重要な制御因子を明らかにするとともにその全体像を理解することである。
本年度は、多数の受容体様キナーゼ遺伝子のT-DNAノックアウト個体の中から、イネいもち病菌に対する侵入抵抗性が低下した個体を同定した。このノックアウト個体におけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性を詳細に解析したところ、伸展抵抗性は野生株と同等であることが明らかとなった。この結果から、この受容体様キナーゼは、シロイヌナズナのイネいもち病菌に対する侵入抵抗性に関与しているが、伸展抵抗性には関与していないことが示唆された。また、伸展抵抗性に関与すると推定される別の受容体様キナーゼ遺伝子候補を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究により、シロイヌナズナの受容体様キナーゼがイネいもち病菌に対する侵入抵抗性において正の制御因子として機能していることを明らかにした。
また、伸展抵抗性に関与すると推定される別の受容体様キナーゼ遺伝子候補を同定した。
以上のことから、到達目標通りの成果を上がることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、今後もさらに本研究を推進させていく予定である。
シロイヌナズナのイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性(侵入抵抗性・伸展抵抗性)における受容体様キナーゼ遺伝子の機能解析をより詳細に行う。
また、ノックアウト個体とpen2変異体との二重変異体を作成し、それらにおけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性(侵入抵抗性・伸展抵抗性)についても解析する。
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Causes of Carryover |
消耗品費を予想より少し抑えることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の受容体様キナーゼ遺伝子の機能解析のための消耗品費として使用する。
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