2014 Fiscal Year Research-status Report
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26450062
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
長澤 淳彦 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60616431)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | ウコンノメイガ / ダイズ / アカソ / 寄主転換 / 産卵 / 害虫 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ダイズ害虫であるウコンノメイガが、越冬世代と夏世代でアカソ（イラクサ科植物）とダイズの間を寄主転換する要因を明らかにすることを目的としている。平成26年度は、幼虫期の食草によって成虫の産卵植物が影響される、あるいは、季節によって植物の質が変化して成虫の選好する産卵植物が変わる、という2つの仮説を検証するために、アカソあるいはダイズで飼育し、羽化させた成虫に、野外において産卵が行われる時期の植物を用いて産卵選択試験を行った。その結果、飼育植物によっても、試験時期によっても産卵選好性に違いは認められなかった。したがって、直接的な産卵選択によって寄主転換を説明することはできなかった。このため、試験条件を見直すために、雌成虫の産卵数の推移を改めて調べたところ、産卵開始日は平均で羽化後5日ほどであり、その後、数日の間に産卵数がピークに達して減少することが判明した。さらに、産卵開始日には個体差があったので、試験での産卵数を揃えるためには、試験に供する個体の状態を厳密に管理する必要があることが分かった。今後は個体毎の産卵数の推移を確認して試験に供する。ウコンノメイガの個体レベルでの産卵数の推移についてはこれまで報告が見られなかったので、原著論文として公表するため投稿中である。また、以上のことより本種の寄主転換においては、産卵行動そのものの選好性よりも、植物に到達するまでの段階で選択が行われている可能性が考えられたので、今後は誘引行動の選好性に焦点を当てて試験を進めていく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
試験結果は当初期待していたものとは異なっていたため、今後は試験条件を見直すとともに、アプローチを変更して試験を組み立てることになる。このため、平成27年度では再試験を行うとともに、別の試験を準備、遂行することになる。26年度では人工気象室の購入に予算のほとんどが使われたことと、この人工気象室でのアカソの栽培が順調ではなかったことから、冬季には新たな試験を開始することができなかった。よって、当初の計画より進行は遅れている。一方、27年度の計画は当初、26年度の結果を受けて、人工気象室で育成した植物と野外植物との比較を行う予定であったが、これを行わず、新たなアプローチに置き換えられることになるので、順調に進めば28年度の計画には間に合うはずである。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、今年度は人工気象室で育成した植物と野外植物との比較を行う予定であったが、昨年度の試験結果より、直接的な植物間の産卵選好性では寄主転換の要因を説明することは難しいと考えられた。そこで、試験条件を見直し、昆虫や植物の状態をできるだけ揃えて再試験を行うとともに、今後は植物に到達する以前の誘引行動に注目し試験を進める予定である。すなわち、アカソあるいはダイズに接近する段階で選好性が異なることで、産卵選好性そのものに影響はなかったとしても産卵植物に違いが生じるという仮説をもとに試験設計を行う。昨年度の試験で用いた容器よりも広い空間で、産卵数に違いが現れるかを確認しつつ、植物香気や色などに対する誘引に違いが生じるかを試験する。具体的には、オルファクトメーターや風洞による選好性試験を計画している。これらについて、昨年度同様に、幼虫期の餌植物の影響および、植物の季節による違いがあるか確認する。この誘引行動に選好性の違いが確認できたら、化学的あるいは物理的因子を追及するため、来年度に向けて分析の準備を始める。
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| Causes of Carryover |
試験が当初の予定通りに進まず、新たな試験を開始できなかった。また、人工気象室でのアカソの育成に成功しておらず、冬季には試験が滞っていた。このため、翌年に繰り越して、再試験および新たに計画した試験で使用することにした。旅費は学会発表での使用を予定していたが、今年度は近距離で開催されたので使用しなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度の再試験を行うとともに、新たなアプローチでの試験を計画している。それらの試験で用いる消耗品で使用する。
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Research Products
(1 results)
