2015 Fiscal Year Research-status Report
果樹・林木を食害するヒメボクトウ幼虫の集合を引き起こすフェロモンの解明
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26450064
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中牟田 潔 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (70343788)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒメボクトウ / 集合 / 化学物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒメボクトウ幼虫の集合を引き起こすフェロモンの化学構造を明らかにすべく、27年度はヒメボクトウを誘引する成分の生物検定および精製・分離を行った。これまで生物検定に用いていたY字管オルファクトメーターは実験の再現性に問題があるため、ガラス棒を一定間隔にて平行に置き、そこに試料を塗布して、幼虫の反応を解析する生物検定法に変えた結果、実験の再現性が高くなった。今後はこのガラス棒生物検定法にて集合活性を示す物質の追跡を行う。 また、幼虫のn-ヘキサン粗抽出物中には、色々な成分が含まれるため、夾雑物が多かった。そこで、幼虫が放出する揮発成分を吸着剤に吸着させ、有機溶媒にて洗い出して試料を作成した。この試料は明確な集合活性を示すことが生物検定によって示された。 今後は、揮発成分の分離・分画とガラス棒生物検定の組み合わせにて、集合活性を示す物質の特定・同定を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来用いていたY字型オルファクトメ-タ-による生物検定法は実験毎の振れが大きいため、あらたにガラス棒生物検定法を考案し、その結果再現性が増した。 また、活性物質の取り出しも、従来の虫体抽出から揮発成分の捕集に変えることにより、夾雑物を減らすことができた。安定した生物検定法、活性物質を得る方法の確定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
単離したヒメボクトウ幼虫由来揮発成分を、n-ヘキサンとジエチルエーテルの混合比を変えた溶出液を用いたカラムクロマトグラフィーにより非極性から極性まで5段階ほどに分画する。その後、分画したそれぞれの試料についてガラス棒生物検定を行い、集合活性を示す画分を特定する。この分画ー生物検定を繰り返し、活性画分の絞り込みを行う。最終的には活性画分のGC/MS分析により、集合活性を示す物質の特定・同定を目指す。
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Causes of Carryover |
供試するヒメボクトウ幼虫を本種が発生する地域の研究機関に所属する研究者に採集・送付してもらったため、採集のための旅費を一部使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に当たり、研究効率を上げるため供試虫の飼育に必要に応じて研究補助員を雇用する。また、GC/SM分析に必要な物品の購入にあてる。
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Research Products
(1 results)