2015 Fiscal Year Research-status Report
微生物由来N-アセチルトランスフェラーゼの機能解析とR体アミノ酸合成への応用
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26450089
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹中 慎治 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40314512)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微生物酵素 / N-アセチルトランスフェラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
Chryseobacterium sp. 5-3Bの生産するN-アセチルトランスフェラーゼについて「酵素の特性・構造解析」および「形質転換株による酵素発現と物質変換の最適化」に取り組むものである。2016年度は、アセチルCoAや基質の結合に関わるアミノ酸残基を推定し、基質特異性を改変するための検討を行った。 本酵素の一次配列について、SWISS-MODELにて解析すると、S. aureus Mu50由来酵素(PDB ID, 3d8p)を基に推定モデルを作成できた。見出したアミノ酸残基についてアミノ酸置換を行って、親株由来酵素(rNatA)と酵素活性の変化について比較した。既報のGNATアセチルトランスフェラーゼではアセチルCoAの結合に関わるアミノ酸残基と推定されている領域の86~89と131~135番目のアミノ酸残基がアラニンに置きかわった変異酵素は、ほとんど活性を示さなくなった。一方、70、148番目のアミノ酸残基を置換したものは、親株由来酵素よりも酵素活性が2倍になった。親株由来酵素(rNatA)とC70A、C70G、Y148F変異酵素について詳細に調べると、2-フェニルグリシンに対する立体選択性は維持しながら、クロロ誘導体である2-クロロフェニルグリシンに対する活性が、5から10倍となった。rNatAとC70A、C70G、Y148F変異酵素について反応速度パラメーターについて比較すると、これら変異酵素はフェニルグリシンに対して親和性は低くなっていたが、触媒活性は2から3倍になっていた。2016年度の研究のために、大腸菌およびバチルス属細菌を宿主とした同酵素発現と形質転換株によるRS-2-フェニルグリシンの光学分割を検討した結果、両宿主とも培地中のRS-2-フェニルグリシンを取り込み、S-体をN-アセチル化して菌体外に放出することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本酵素の一次配列について、SWISS-MODELにて解析すると、S. aureus Mu50由来酵素(PDB ID, 3d8p)を基に推定モデルを作成できた。見出したアミノ酸残基についてアミノ酸置換を行って、親株由来酵素(rNatA)と酵素活性の変化について比較した。既報のGNATアセチルトランスフェラーゼではアセチルCoAの結合に関わるアミノ酸残基と推定されている領域(M35、Y40、C70、K86、M87、A88、V89、Q94、Y100、T122、K131、L132、Y133、E134、K135、140H、148Y)のアミノ酸残基がアラニンに置きかわった変異酵素は、ほとんど活性を示さなくなった。一方、70、148番目のアミノ酸残基を置換したものは、親株由来酵素よりも酵素活性が2倍になった。親株由来酵素(rNatA)とC70A、C70G、Y148F変異酵素について詳細に調べると、2-フェニルグリシンに対する立体選択性は維持しながら、クロロ誘導体である2-クロロフェニルグリシンに対する活性が、5から10倍となった。rNatAとC70A、C70G、Y148F変異酵素について反応速度パラメーターについて比較すると、これら変異酵素はフェニルグリシンに対して親和性は0.57 mMから2.1から2.6 mMと低くなっていたが、触媒活性は8.9から12から29 S-1と高くなっていた。。2016年度の研究のために、大腸菌(E. coli DH5α)およびバチルス属細菌(Bacillus subtilis RIK1285-pBE-S vector)を宿主とした同酵素発現と形質転換株(Growing cell)によるRS-2-フェニルグリシンの光学分割を検討した結果、両宿主とも培地中のRS-2-フェニルグリシンを取り込み、S-体をN-アセチル化して菌体外に放出することがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) アミノ酸置換による基質特異性の改変 2015年度で明らかとなった基質結合領域について、さらにアミノ酸置換の範囲を広げ、2-フェニルグリシンだけでなくそのクロロや水酸基誘導体に対しても高活性を示す変異酵素の作成を試みる。 (2) 結晶化条件の検討 組み換え酵素を調製後、市販の結晶化条件スクリーニングキットを用いて結晶化を試みる。結晶化後の解析(Spring-8で実施)は、協力者の了解が得られているため、結晶化後、データ取得と解析を進める。 (3) 形質転換株による光学分割法の確立 形質転換株について、培養条件の検討を行う。つまり、炭素源・窒素源・補助基質・通期量・pH・基質濃度の影響を調べて最適化する。
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Research Products
(2 results)