2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of nucleoid structure in bacterial transcriptional regulation
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26450090
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大島 拓 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (50346318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸菌 / 核様体 / H-NS / HU / IHF / Fis / AFM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究立案段階では、HUおよびH-NSによる核様体構造の制御を介した転写ストレス応答を通して、核様体構造に依存した転写制御機構の解析を行うことを計画していた。しかしながら、HUの機能解析実施中に、HU/IHFの2重欠損株が温度感受性を示すことが判明し、大腸菌の核様体構造を介したストレス制御の解明に向けて、H-NS、HUに加え、他の主要核様体タンパク質であるIHFおよびFisを含めた核様体タンパク質群の機能解析が核様体構造を介した転写制御機構の理解に重要と考えられた。この結果を受けて、最終年度では、HU, H-NSに加え、IHF、FisのGeF-seq解析の結果から、IHF/Fisのゲノム上の全結合部位を詳細に決定することを試みた。その結果、IHFおよびFisは、その結合強度の違いに関わらず、ゲノム上の、3000-7000カ所におよぶ領域に、配列依存的に結合していることが示された。IHF, Fisの結合領域は、遺伝子コード領域に比べ、遺伝子間領域に豊富であるが、これは、遺伝子間領域のAT含量が高く、ATを豊富に含むIHF, Fisの認識配列が出現しやすいためだと考えられた。AFM解析により、HU, H-NSおよびIHFの結合様式を解析したところ、それぞれのタンパク質が、ゲノムDNAとの異なる結合様式を持つことが明らかになった。H-NSがAT含量の高い外来性ゲノム領域に、HUが遺伝子コード領域に結合することに加え、IHFおよびFisの結合配列および結合様式が、他の核様体タンパク質とは基本的には重ならないことが明らかになったことから、個々の核様体タンパク質は、細胞内において独立してゲノムDNAに結合し、ゲノム全体の構造、機能を制御していることが示された。
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Research Products
(4 results)