2015 Fiscal Year Research-status Report
放射線抵抗性細菌の遺伝子導入による高度好熱菌への放射線耐性付与
Project/Area Number |
26450103
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鳴海 一成 東洋大学, 生命科学部, 教授 (90343920)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / DNA修復 / 高度好熱菌 / 放射線抵抗性細菌 / タンパク質改変 |
Outline of Annual Research Achievements |
カナマイシン耐性遺伝子マーカーを持つインテグレーションベクターpT8S-P31を用いて昨年度作製したDeinococcus geothermalis pprA遺伝子発現Thermus thermophilus(P31pprA株)と同様に、ハイグロマイシン耐性遺伝子マーカーを持つインテグレーションベクターpT8H5-Pslpを用いて、D. geothermalis pprA遺伝子をT. thermophilus HB27 HT104 (pTT8)株のゲノムに挿入し、PslppprA株を取得した。また、昨年作製したP31pprA株でゲノムに挿入したpprA遺伝子中にナンセンス変異が認められたため、P31pprA株も作製し直した。 また、D. geothermalis pprA遺伝子をpET系ベクターにクローニングし、N末端His-tag付きPprAタンパク質を大腸菌BL21(DE3)株で大量発現させた。0.5M アルギニン含有抽出バッファーに懸濁したPprA発現大腸菌を遠心して得られた沈殿を1 M アルギニン含有Tris-HClバッファーに再懸濁し、TALON Cobaltカラムを用いたイミダゾール濃度勾配によってPprAタンパク質を精製した。さらに、脱塩後の精製PprAタンパク質を用いて、抗D. geothermalis PprAウサギポリクローナル抗体を作製した。 次に、T. thermophilus P31pprA株及びPslppprA株におけるpprA遺伝子のゲノムからの発現を、抗D. geothermalis PprAポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロットにて解析した。その結果、培養温度50℃では、D. geothermalis PprAタンパク質 のT. thermophilusにおける良好な発現が観察されたが、培養温度55℃では、インタクトなD. geothermalis PprAタンパク質の著しい減少と分子量の小さい分解産物が認められた。また、培養温度60℃では、インタクトなD. geothermalis PprAタンパク質がほとんど観察されなかった。 これらのことから、高温培養条件下のT. thermophilus細胞中でD. geothermalis PprAタンパク質は、熱による変性と分解を受けていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗D. geothermalis PprAを作製することで、T. thermophilusにおけるPprAの発現状態の確認が可能となり、順調に計画を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
P31pprA株およびPslppprA株の各種変異原(ガンマ線、紫外線、マイトマイシンC、ブレオマイシン、過酸化水素など)に対する耐性を評価するとともに、pprA遺伝子にランダム変異を導入して、耐熱性の向上した変異タンパク質をスクリーニングする予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] Current status on space exposure and capture experiments of microbes in TANPOPO mission at International Space Station2015
Author(s)
Shin-ichi Yokobori, Yuko Kawaguchi, Kaori Tomita-Yokotani, Nobuhiro Hayashi, Issay Narumi, Makoto Tabata, Hideyuki Kawai, Kyoko Okudaira, Yoko Kebukawa, Kensei Kobayashi, Hajime Mita, Kazumichi Nakagawa, Hikaru Yabuta, Eiichi Imai, Satoshi Sasaki, Masumi Higashide, Hirofumi Hashimoto, Hajime Yano, Akihiko Yamagishi
Organizer
第8回アストロバイオロジーワークショップ
Place of Presentation
東京工業大学(東京都目黒区)
Year and Date
2015-11-27 – 2015-11-28
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