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2014 Fiscal Year Research-status Report

細菌のトキシン-アンチトキシン遺伝子群のバイオフィルム形成における役割

Research Project

Project/Area Number 26450110
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

中島 信孝  東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (70357622)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsバイオフィルム / 大腸菌 / トキシンアンチトキシン
Outline of Annual Research Achievements

大腸菌K12を用いて、トキシンーアンチトキシン遺伝子群とバイオフィルムの関連性について研究した。バイオフィルムは、発酵工業の分野などでは人類に対して有益なあることもあるが、食品や医療の分野で負の面も多く持ち合わせる。従って、バイオフィルム形成を自由に調節する方法や、完全に除去する方法を開発する必要があるが、その形成過程や微生物細胞以外の包含物質に不明な点も多く、方法を確立するための障壁となっている。それでも近年、細菌のTA遺伝子がバイオフィルム形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆されており、注目されている。
本年度はまず、大腸菌K12のII型トキシン遺伝子を過剰発現するベクター19個を作成した。作成の元となったベクターは、ドキシサイクリンにて発現誘導が可能なベクターpHN1271である。作成したベクターを大腸菌K12に導入し、過剰発現させたところ、目論見通り多くの遺伝子で生育阻害がみられた。当初予定では、アンチトキシン遺伝子に対する、アンチセンスRNAサイレンシングによって同様の表現型を生成する予定であったが、残念ながら抑制効率の問題だろうが、予想通りの表現型を生成できず、代替として上記のような過剰発現によることとなった。
次いで、上記の過剰発現がバイオフィルムに対してどのような影響をおよぼすかどうかについて検討した。バイオフィルム形成の実験条件については、様々な培養容器(つまりバイオフィルムを形成させる表面)を用意し、最もバイオフィルム形成能が優れているプラスチック製のマイクロタイタープレートを探しだした。予想通り、いくつかの遺伝子でバイオフィルム形成に正の影響が現れた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

アンチセンス法によるサイレンシングが、予定通り機能しない問題が判明したが、代替措置として過剰発現による実験に変更したところ、予定していた解析がこなせることが判明した。それ以外では、予定通りの数のベクターの構築、ベクターのバリデーション、バイオフィルムに与える影響を解析することが出来た。

Strategy for Future Research Activity

当初計画では、DNAマイクロアレイによってトランスクリプトーム解析を行う予定であったが、それよりも多彩な情報が得られると期待される次世代シークエンサーによるRNA-seqが使用可能になったので、RNA-seqによる解析を第一に行う。これによってトキシン遺伝子の過剰発現がどのようにバイオフィルム形成に影響を与えているか、分子生物学的考察が得られると期待される。
また、バイオフィルム形成に影響のあるトキシン遺伝子について、全て、ペアになるアンチトキシン遺伝子と共に欠損させた変異体を構築する。この変異体を用いれば、トキシンーアンチトキシン遺伝子群の機能の重複、ゲノム上での役割などが明らかになるはずである。

Causes of Carryover

旅費を使用しなかったため、若干の剰余が生じた。また、次年度の消耗品が当初予定よりも多くなりそうなため、多少の余裕を持たせた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次世代シークエンサーの消耗品が高額なため、その費用に主に充てる。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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