2014 Fiscal Year Research-status Report
酵素阻害剤結合ビーズを用いたアシルホモセリンラクトン合成酵素の迅速同定法の開発
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26450140
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
甲斐 建次 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40508404)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クオラムセンシング / アシルホモセリンラクトン |
Outline of Annual Research Achievements |
クオラムセンシング(QS)は、細菌が化学シグナルを介して協調的に振る舞うメカニズムである。グラム陰性菌ではアシルホモセリンラクトン(AHL)がそのシグナルとして機能している。申請者はAHL合成酵素を数百nMオーダーのKi値で阻害する化合物を見出していた。今回、阻害剤結合アフィニティービーズの作製に成功した。組換え発現AHL合成酵素を使った系を用いてアフィニティービーズのAHL合成酵素アフィニティーリガンドとしてのバリデーションを行ったところ、高い選択性を有することが判明し、AHL合成酵素のプルダウン精製法への適用の可能性が高まった。結合の弱い酵素は阻害剤リガンド溶液を用いて溶出できることが確認され、結合の強い酵素の場合は加熱溶出する必要があることが分かった。次に、各種AHL合成酵素に対して、作製したアフィニティービーズを用いてプルダウン精製を行ったところ、直鎖タイプのAHL合成酵素に高い特性を示すものの、3位ケトタイプのAHL合成酵素には親和性がないことが分かり、AHL合成酵素のタイプに対しても特異性があることが分かった。これまでにAHL合成酵素をプルダウン精製できる低分子リガンドは全く知られていないことから、未知のAHL合成酵素を同定できるツールを開発できたと考えられる。阻害剤リガントと担体のとの結合法や担体の種類の最適化を行うことで、AHL合成酵素同定法の1つとして極めて有効な手段になることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、アフィニティービーズの作製とそのバリデーションが完了した。また、その有用性が明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したアフィニティービーズを用いて、より複雑な系からのAHL合成酵素のプルダウン精製を検討していく。また、リガンドの種類を変えるなどのアフィニティービーズの最適化も引き続き行っていく。
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