2015 Fiscal Year Research-status Report
プロテオホルミシスを介したファイトケミカルの生理機能調節機構
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26450156
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
村上 明 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (10271412)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | zerumbone / inflammation / molecular target / macrophage / HSF1 / proteo-stress / phytochemical / food factor |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア産ショウガ科植物ハナショウガに含まれるゼルンボン(セスキテルペン)の生体タンパク質への非特異的な結合の意義や意味を究明するため、以下の実験を行った。まず、RAW264.7マクロファージにおいて、ゼルンボンがその付加タンパク質とユビキチン結合タンパク質の凝集を促進し、プロテオストレス(proteo-stress、タンパク質ストレス)を与えることを確認した。次いで、プロテオストレスに対する適応応答機構における鍵転写因子であるHSF1の発現をsiRNAによってノックダウンし、炎症関連遺伝子の発現変化を解析した。その結果、リポ多糖LPSによるiNOSやIL-1bの発現に対するゼルンボンの抑制効果がHSF1発現低下細胞では有意に減弱していた。一方、ゼルンボンのような標的特異性の低い天然化合物の性質を確証するため、MAPキナーゼの1種であるJNK1/2の特異的阻害剤SP600125を用いた解析も行った。本阻害剤はゼルンボンと同様、種々の炎症関連遺伝子の発現を抑制し、その作用分子機構における標的はJNK1/2に特異的であると考えられる。そこで様々な条件でRAw264.7マクロファージをSP600125で処理したが、いずれの場合もプロテオストレス作用を示唆するデータは得られなかった。従って、非特異的なタンパク質相互作用を介したゼルンボンの抗炎症機構が極めてユニークなものであることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファイトケミカルの作用機構において生体タンパク質との非特異的な相互作用が重要であることを示唆できたのは本研究が最初である。特にゼルンボンは抗炎症作用が顕著であることから、その作用機構にも部分的に寄与しているとのデータを取得できたことは意義深いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展開において重要なことは本作用機構がどの範囲のファイトケミカルにまで拡充できるのか、また、本研究課題におけるもう一つの柱であるファイトケミカルの機能性メディエーターの究明に関した知見を得ることが重要課題である。
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Causes of Carryover |
2015年4月に研究機関が変わったため、機能性メディエーターの究明研究に関する進捗が少し遅れ、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在の研究機関において、機能性メディエーターに関する研究環境もセットアップできたことから、次年度は昨年度分を含めて予算が順調に消化できると考えている。
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Research Products
(9 results)