2015 Fiscal Year Research-status Report
筋肉細胞分化機能制御による抗サルコペニア肥満機能性食品の開発
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26450161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
照屋 輝一郎 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10273971)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食品機能 / サルコペニア肥満 / 筋肉細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は筋肉・脂肪細胞を用いて抗サルコペニア肥満の検討を行う培養細胞評価系を構築し、その評価系を用い、候補の機能性食品群より抗サルコペニア肥満効果の探索を行い、その機能性食品成分の単離・同定、加えて活性成分の作用点を明確にすることを目的としている。平成27年度は前年度に構築した、培養筋肉細胞を用いた抗サルコペニア効果を検討するための培養細胞評価系を用いて、抗サルコペニア効果を有する機能性食品候補の探索を引き続き行った。今年度は主にマウス由来C2C12細胞を分化させた筋管細胞による筋肉分化後用の抗サルコペニア培養細胞評価系を用いて検討を行った。筋肉機能評価の一つである細胞呼吸活性の評価はWST-1 Assayにより行った。また細胞内のミトコンドリアの活性及び総量はMitoTracker Red及びMitoTracker Green染色により評価した。エネルギー代謝ホメオスタシスの主要な調節因子であるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化状態、筋肉タンパク質の量、さらにインスリンシグナル経路(Akt-mTOR経路)に及ぼす影響をWestern blottingにより評価した。なお、抗サルコペニア状態の誘導は炎症性サイトカインであるTNF-α処理により行った。その結果、検討した食品サンプルに、評価系で用いているC2C12細胞の細胞呼吸活性を上昇させる効果と細胞内のミトコンドリア膜電位を上昇させる効果が確認され、ミトコンドリア活性化作用を有することが強く示唆された。またWestern blottingの結果から、AMPKを活性化する効果を有することが確認された。さらに、TNF-α処理により誘導されたC2C12筋管細胞のタンパク質分解及びTNF-α処理によるインスリンシグナル阻害を解除する効果を有することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究目的で重要項目である構築された培養細胞評価系を用いた抗サルコペニア効果を有する機能性食品候補の探索が予定通り遂行でき、候補となる試料の選出が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究推進に関して大幅な変更は現時点では必要ないと考えられる。計画書に従い、目標達成に向け研究を遂行する。研究実施においては細胞のストレス管理機構や細胞のタンパク質品質管理機構とサルコペニア状態との関連性を検討すると共に、活性成分の単離・同定に向けて検討も併せて行っていく予定である。
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