2014 Fiscal Year Research-status Report
免疫バランス改善に有効な熱量・脂肪酸組成・PFC比を考慮した次世代型日本食の確立
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26450170
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
石川 祐子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 上席研究員 (40353940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若木 学 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 任期付研究員 (50710878)
後藤 真生 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (30302590)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アレルギー発症 / 脂質・熱量摂取 / 免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、幼若期のマウスにおける摂取熱量等の違いが食物アレルギーの発症に与える影響を明らかにするために、卵白アルブミン(OVA)に特異的に応答するT細胞レセプターを有するDO11.10マウスに離乳直後(3~4週齢)から熱量の異なる食餌(コントロール餌並びに高脂肪食)を9週間摂取させた。 摂取熱量の高い、高脂肪食摂取マウスの体重が、コントロール餌を摂取したマウスに比べ、有意に増加したことを確認後、OVAの経口投与により抗原感作を行ったマウスには、皮膚アナフィラキシー反応を惹起し、摂取熱量がアレルギー症状の重篤度に与える影響を検討した。さらに、全身免疫系を代表すると考えられる脾臓細胞を調製し、抗原特異的な増殖応答、サイトカイン・抗体産生をex vivoで調査し、免疫応答性を検討した。また、腹腔内マクロファージも同時に採取し、貪食活性ならびに大腸菌リポ多糖刺激によるサイトカインの産生を調べ、肥満により発症すると考えられる慢性炎症の状況についても検討を行うとともに、尿中8-OHdGの測定による酸化ストレス評価を行った。また、OVAによる抗原感作を行わないNaive状態のマウスについても、上記の免疫応答指標について評価を行った。 その結果、ex vivoで一部のサイトカインや抗体の産生量には有意差が認められたが、詳細は解析中である。皮膚アナフィラキシー反応の症状や生体内酸化ストレスは高脂肪食摂取マウスで高い傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼若期から高脂肪食を摂取させたマウスにおける食物アレルギーの症状の重篤度、あるいは全身免疫系における影響はおおむね確認できており、27年度はこれまでに繁殖、飼育しておいた老齢マウスを用いた評価を開始できる予定であることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は予定どおり老齢マウスを研究対象とし、餌の違いによる免疫応答性への影響を検討する。幼若期のマウスについては、脂質バランス以外の食餌の影響について、より詳細に検討を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、幼若期のマウスを用いる実験が主体であったこと、餌の調製に時間がかかったことから、予定したよりも消耗品の必要量が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度以降は、老齢マウスを研究対象とすることから、餌の需要他も増大することが考えられるので、マウスの飼育に関わる費用に充当する。
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