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2014 Fiscal Year Research-status Report

高品質加圧ゲル状食品の製造条件とその体系化

Research Project

Project/Area Number 26450179
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

井倉 則之  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30260722)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords高圧処理 / ゲル
Outline of Annual Research Achievements

高静水圧(加圧)処理は、非加熱殺菌が可能なため熱に敏感な成分の保持が可能であるだけでなく、加圧処理により作製されたタンパク質ゲルは加熱処理により作製されたゲルとは異なる物性を有しており、新規食品の製造が期待される。本申請では、様々な処理条件において作製される加圧ゲルの品質について調査し、その体系化を図ることを目的としている。平成26年度はその中でも温度条件ならびに添加物がオボアルブミンゲルの物性に及ぼす影響について特に検討を行った。先ず、加圧処理時の温度が加圧ゲルの物性に及ぼす影響について検討したところ、かたさおよび付着性は温度が40℃の時の方が、20℃の時よりも、より高い値を示した。いずれの温度においても、常圧ではゲル化しない温度であり、温度は加圧処理に大きな影響を与えることが示された。次に多糖類、エマルションおよび香気成分などの添加物の影響について検討を行った。多糖類をゲル化する前のゾルに添加することでゾルの粘性は増加するが、得られる物性にはそれほど大きな影響は与えなかった。また、加熱ゲルと加圧ゲルとの間にも大きな物性の違いは認められなかった。エマルション添加の影響を検討するにあたり、界面活性剤の添加効果について検討した。食品用の界面活性剤であるデカグリセリンモノラウレートを終濃度1%となるように添加して、加圧ゲルの物性変化を調べたところ有意にかたさが増加した。しかし、終濃度を0.1%以下にしたところ、有意な物性変化は認められなかった。キャノーラ油を分散相として含有するエマルションを添加したところ、分散相含有率の増加に伴いかたさおよび付着性は増加傾向にあった。さらに香気成分を共添加したところ、相加効果が得られた。今後さらに添加物の影響について検討を行う必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

温度の影響ならびに添加物が加圧ゲルの物性変化に及ぼす効果について多くの結果を得た。その温度ではタンパク質の変性が起こらないような温度においても加圧処理を同時に行うことにより、ゲルがより硬くなったのは大変面白い現象である。なぜ、そのような結果が得られたのか、今後調査する価値があると思われる。また、エマルションの添加効果、香気成分の添加効果ならびにこれらの共添加の効果についても興味深い結果が得られている。香気成分においてはどのような官能基や構造が加圧ゲルの物性変化に影響を及ぼしているのか、幅広く検討を行った。これらの結果は平成27年度以降の実験および検討に大変有益である。以上のように、平成26年度はこれらの条件が加圧ゲルに及ぼす影響について調査を行うことを目的としていたことより、ほぼ予定通りの結果が得られたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度は平成26年度に引き続き、ゲルの品質に及ぼす各種因子の影響を検討する予定である。温度の影響、並びに添加物の影響については、平成26年度に行った測定結果を基に、いくつかの条件にしぼって、タンパク質自身の構造あるいはゲル構造の変化について詳細に検討を行う予定である。また、温度の影響はタンパク質の変性程度やガラス転移点および水の存在状態にも影響を与えていると考えられるため、タンパク質の熱物性についても検討を行う予定である。香気成分のリリース挙動については平成26年度に行った測定をさらに進める。特にゲルが咀嚼により破壊されるときの香気成分のリリース挙動についても検討を行う予定である。以上の結果を基に、平成28年度に行う予定である加圧ゲルの品質変化に関する多変量解析による体系化について、基礎的な情報を集める。

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Published: 2016-05-27  

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