2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26450182
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
野口 智弘 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (80297598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PDI / 製パン / SS結合 / ERO1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究として、各種小麦粉中のプロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)活性と製パン性との関連性について検討を行った。試料に、超強力粉品種2種(ハナマンテン、ゆめちから)、強力粉品種2種(春よ恋、ゆめかおり)、中力粉品種3種(きたほなみ、さとのそら、農林61号)のPDI活性を測定したところ、強力粉品種の活性が高く、超強力粉の活性は、中力粉と同等であった。また、製パン性を検討したところ、強力粉の製パン性が高く、次いで超強力粉、中力粉であった。また、小麦種子登熟課程におけるPDIの発現パターンを解析したところ、いずれの品種もmRNA量は開花後10~15日目が最も高い傾向を示したが、PDIタンパク質をPDI抗体にて検出を行った結果、登熟後期に向けてシグナルが増加したことから、発現したPDIが蓄積し、小麦粉中にも残存する事で、製パンでのSS結合に関与していることが推察された。 さらに,PDIがタンパク質にSS結合を形成させることによって自らは還元型となり、SS結合形成能を失う。この機能再生にエンドプラズミックレティキュラムオキシドレダクターゼ1(ERO1)が関与することが知られている。そこで、小麦粉中においてERO1の存在確認をERO1抗体を用いたウエスタンブロッドにて行ったところ、いずれに品種においてもその存在が確認され、PDI同様、小麦種子登熟中に発現していることがmRNA解析によって明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PDIの解析においては順調に進んでいるが、ERO1においてその存在は確認できているが、小麦粉中での活性確認法の確立が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
確立が遅れているERO1の活性測定法をH27年度に確立するとともに、小麦粉タンパク質に対するPDIの作用性、すなわちSS結合形成性の解析と製パン性との関連について検討を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施予定であったリコンビナントPDIの発現が1種のみの成功であったため、抗体の作成が1種のみであったこと。また、ERO1の抗体作成も実施できなかったことから、予算の遂行が低額に終わった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、昨年実施できなかったERO1の抗体作成および他のPDIファミリー抗体作成を実施することでH26年に実施すべきであった実験をし、そのための予算を使用します。
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Research Products
(2 results)