2014 Fiscal Year Research-status Report
持続的森林資源管理のための森林域でのGNSS技術の応用に関する研究
Project/Area Number |
26450195
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 尚史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (70263134)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | GNSS / 樹冠下 / 信号 / SIP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はGNSS(日本のQZSS,米国のGPS,ロシアのGLONASS,EUのGalileo,中国のBEIDOUなど)技術を活用し,森林内におけるGNSS信号の分断信号から林分蓄積や立木密度などの林分情報を推定する技術を確立するとともに,持続的森林管理のための森林資源情報の取得のために実用化使用とするものである。 本年は初年度として,既存のGPSおよびGLONASSを用いた受信システムにおけるGNSS信号受信状況を解析するとともに,次年度に予定するヘリコプターLIDARデータ取得に合わせて行う受信試験に用いるGNSS受信機の準備作業を行った。 当初の予定では,既存のGNSS受信機のファームウェアをアップデートし,対応する受信アンテナを購入する予定であったが,業者との打ち合わせ中に,最新型GNSS受信機が新たに発売されるという情報を得たため,予定を変更して試験に用いるGNSS受信機の選定から改めて行った。結果として新たに発売される機種はまだ世界でもほとんど販売されていないすべてのGNSSに対応する機種であることから,この機種を購入することとした。ただし予定額を大幅に上回ることから,他の経費と合算して購入することとした。 なお,この機種は本研究が国内導入第一号で,3月にようやく納入されることとなったため,受信試験は年度内に開始することができなかった。そのかわり,既存の機種を用いた受信試験を実施し,森林内におけるGPSおよびGLONASS信号の到達,受信状況について,改めて解析を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
受信試験に用いるメインの測量用GNSS受信機を変更し,その納期が3月となったことから,受信試験の一部が実施できなかった。そのかわり,予定していたよりも多くの信号を受信できる機種である(予定ではGPSおよびGLONASSのL1およびL2であったが,導入した機種はこれらに加え,GPSのL5,BEIDOUのB1およびB2,GALILEOのE1およびE5,QZSSのL1,L2,L5等が受信可能)ことから,研究・解析の幅が格段に広がることが期待できる。 なお,本年度実施した解析結果は,学術誌に投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
受信試験の遅れを取り戻すために,納入された新たなGNSS受信機を用いた受信試験を集中的に実施する。またLIDARおよび林内レーザースキャナデータの取得も予定通り実施し,本年度実施したSIPに関する分析を,各種のGNSS信号すべてに適用して,解析を行う。 これらの受信試験と同時に,新たなGNSS受信機を業者から短期間貸与できることとなったため,信号受信に関する試験だけでなく,後処理補正時の測位精度に関する試験も同時に実施し,次年度以降のLIDARデータの解析に役立てる。
|